暁 〜小説投稿サイト〜
ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
2-2 運命の出会い
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今回の仕事の件の話に移って少し戸惑った椿だが、周囲の客を見て迎えの対象の女性の姿がいないか確認を試みたが、該当する人物は見当たらない。
「そういえば椿ちゃん。迎えに来る『真宮寺さくら』って人の写真を見せてもらえる。もう一度確認しておきたいんだ」
「あ、はい。どうぞ」
椿は、『真宮寺さくら』の写真を見せる。
さくら、と何かと綺麗なイメージを抱かせる花の名前を名づけられたほどの女性。
「改めてみると、まさに大和撫子…って感じだね」
白黒に写されたその写真には、リボンで結われたポニーテールの後ろ髪と、恐らく桜色に染まっていることがイメージできる和服を着た少女が立っている姿があった。とても可憐な少女だった。年齢は外見から予測すると、ジンと同じ年くらいか一つ下くらいだろうか。
「いいなぁ…私もこの人みたいに綺麗になれたらなぁ…」
椿は、写真に写っている少女に憧れの視線を向けた。これだけ美しい少女だ。舞台でもきっと輝くに違いない。すると、ジンが不意打ちを食らわせてきた。
「椿ちゃんはそのままでもかわいいと思うけど?今日の服だっておしゃれだし」
ちなみにこの日の椿は、いつもの売り子さん衣装ではなく、空色のワンピースを着ている。いつもとまた違う雰囲気を漂わせた。それに対して、ジンはモギリ服を着させられている。別に悪い気はしないのだが、モギリが街をうろつくというのは奇妙じゃないだろうかと心配になった。
「っ!や、やだ…ジンさんってお上手なんですね」
いきなり容姿を褒められ、椿は照れくさくなって頬を染めた。そんな椿のリアクションを気に求めず、再びジンは辺りにさくらの姿がないかもう一度見通してみる。
今回新しく花組のメンバーに迎えられるさくらは、米田の知り合いの娘だと聞いている。
(彼女が僕の正体を知っている…なんてあるわけないか)
自分の正体について、実は彼女が何か知っているのでは?なんて期待を寄せたが、そんなわけないか、とすぐにその根拠なしの予想を忘れることにした。
だが、ジンはふと思う。
(花組の正体は、降魔と戦う秘密戦闘部隊…だとしたら彼女も…)
戦うために、帝劇入りを果たすことになる。そう思うと、どこか切なさを覚える。戦いが似合いそうに見えないこんな少女が、あんな恐ろしい化け物と戦うことになるなんて…。
それにしても、例のさくらは一向に探してみても、やはり姿が見えなかった。
「もしかして、行き違いになったんじゃないか?」
「そうかもしれないですね。困ったなぁ…どこに行っちゃったんでしょう」
二人はすっかり困り果てた。
「…聞き込みをもう少しだけ続けてみよう。それで見つからなかったら、僕が街を見て回って探してみる。椿ちゃんはそのとき一度帝劇に戻って」
「すみません…」
「謝ることじゃないって」
気にしないでくれ、とジンは
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