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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
2-2 運命の出会い
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まさか…『変身』することができたなんて…)
実はあやめも、ジンが赤い巨人に変身する力を持っていたことを知っていたのだ。
(でも、どういうこと?ジン君は、『あれ』がなければ変身できないはず。にもかかわらず、街での戦闘中に変身した…いえ、考えてもわかることじゃないわ。なんにせよ、巨人化したジン君の姿に、政府も軍もかなりの反応を示すことに違いないわ。時期に『綾小路伯爵』からも連絡は来るでしょうね。悪い方向に傾かなければいいんだけど…)
巨大降魔を倒すほどの圧倒的な力を持つ巨人に、軍がどんな動きを見せてくるか。ジンの正体を知っているだけあって、それによって不安がかきたてられる。
すると、その部屋に設置されていた電話がジリリリ…と音を鳴らした。あやめはすぐに受話器を手にとって電話に出た。
「はい、こちら藤枝…あ、米田司令」
通話相手は米田のようだ。
「え…『彼』が、目を覚ました?本当ですか!?…はい、はい。わかりました」
少しの間の通話の後、あやめは受話器を電話に戻した。
「どないしたんです?」
「米田司令からの命令よ。ここでの作業が終わったら、私と紅蘭にも帝劇へ移転するように」
次の日から、浅草の問屋街は復興作業が開始され、ところどころのエリアが立ち入りを禁じられた。あの巨大降魔と、それを倒した赤い巨人のことは、結局なんだったのか、結局誰も分からないままだった。
「………」
この日、ジンは新たしい花組のメンバーとなる『米田の知り合いの娘』を迎えるために、椿と共に上野駅に来ていた。
だが、この日のジンはほとんど会話を吹っかけてこようとしなかった。先日の、米田の口から明かされた自分の正体について聞いてから、ずっとこの調子だった。
気まずい…椿は居心地の悪さを痛感した。せめて…何かジンの気が紛れるような話でも…。
「き、今日はいいお天気ですねぇ!」
「…うん」
…終わった。ジンの今のたったの一言で会話は途切れた。心の中で椿は悲鳴を上げたくなった。帝劇の仕事にジンが就き始めた頃は、彼は思った以上に楽しそうに仕事をしていたのに。
「あの、ジンさん。米田支配人がきっと、ジンさんのことを調べてくれると思いますから、元気を出してください」
「…あ…いや、いいんだ…椿ちゃんは気にしなくていい」
記憶を失っていることを気にしているのだと思ってフォローを入れてみるが、ジンはもう聞きたくない様子で、また会話を切ってしまった。全く効果のなかった自分の行動に椿は気落ちしてしまう。
…もうやめよう。椿を見てジンは、ひとまず自分や帝劇の真実について置いておくことにした。
「それより、例の人まだ来てないのか?」
駅は多くの人達で埋め尽くされていた。ごちゃごちゃしていてどこに誰がいるのかわからない。
「み、みたいですね…困ったなぁ」
急に
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