第五章
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「今は黄金バットとメンインブラックの戦いですから」
「そういうことだな」
「では」
「見ていよう、今は」
あらためて言った警部でした、他の警官さん達や自衛官さん達も一緒でした。今は両者の戦いを見守るしか出来ませんでした。
そしてです、ステッキからでした。
黄金バットは光を出しました、するとその光がです。
七人のメンインブラック達を照らしました、すると。
その光を浴びたメンインブラック達はです、一人また一人とです。
姿を消していきます、その彼等を見てでした。
神谷さんは目を丸くさせてです、こう言いました。
「影がない」
「確かにな」
警部もその彼等を見て気付きました、見ればです。
姿を消していくメンインブラック達は影がありません、影がない彼等が消えていきます。神谷さんはその光景を見てまた言いました。
「そうか、これまでメイインブラックが何人もいたのは」
「影か」
「はい、そうだったんですよ」
「影分身だったのか」
「影は普段は一つですね」
「ああ、しかしな」
警部も言います、上で消えていく彼等を見ながら。
「複数の方向から光を浴びるとな」
「影はその光の分だけ出来ますね」
「そういうことか」
「はい、メンインブラックは何らかの方法で光を浴びて」
他ならぬ彼自身がです。
「それで影を増やしてです」
「その影達がだな」
「分身になっていました」
「そういうことだったか」
「黄金バットもそれを見抜いてです」
メンインブラックが影分身を作って悪事を働いていた、そのことをです。
「ああして光を、強い光を一方向から浴びせてです」
「影達を消しているのか」
「はい、そうだと思います」
「そうだな、あまりにも強い光だとな」
警部も神谷さんの話を聞いて頷きます。
「他に光があっても」
「影は一つになりますね」
「黄金バットはそれを使ってか」
「影分身を消しているんです」
「そういうことか、流石だな」
「はい、黄金バットならではの知恵ですね」
彼はただ強いだけでなく頭の回転もいいのです、そしてです。
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