第四十九話 井上中尉!和歌山でファミコン勝負!!その八
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「というか御前等の年代で休刊していってるだろ」
「作者が子供の頃はあったんだよ」
「まだな」
二人はこう子供に反論した。
「そうだったんだよ」
「だから作者も悲しんでるんだよ」
「ずっと子供達の友達だったのにな」
「コロコロ、てれびくんと並んでな」
「それがなくなったってな」
「こんな悲しいことはないだろ」
「形あるもの何時かは絶対になくなる」
子供はまた言った。
「雑誌もそう」
「そうだよな、やっぱり」
「悲しい話だけれどな」
「幾ら長い間続いた雑誌でもな」
「素晴らしい雑誌でも」
それでもというのだ。
「だからか」
「小学館のそうした雑誌も」
「そしてボンボンもか」
「他にもそうした雑誌はか」
「あるしな」
「そう、だから悲しくても」
子供はまた言った。
「これもこの世にあること」
「そういうことか、じゃあ」
「その無常も心に込めて」
「そしてか」
「やっていくか」
「ああ、それじゃあな」
「勝負に行くか」
「ファミコン勝負にな」
悲しみを胸にしてだ、二人は勝負の場所に赴く。子供はその洗浄に向かう二人の背を見送ってそうして言った。
「応援はしないが健闘はしろ」
「それエールか?」
「エールって思っていいのか?」
「俺は日帝衆のファンだ」
このことは変わらなかった。
「だからエールじゃない、けれどボンボンや小学館の学習雑誌のことは忘れるな」
「ああ、絶対にな」
「忘れないぜ」
休刊の悲しみをだ、そしてだった。
二人は勝負の場所に赴いた、すると天守閣の下にだ。途方もなく大きなファミコンの画面とコントローラーがあった。
それを見てだ、二人は言った。
「そのままだな」
「ああ、ファミコンロッキーだな」
「それの画面とコントローラーか」
「忠実に再現したんだな」
「そうだよ」
その通りだとだ、審判の高橋さんが応えた。
「あの漫画のままだ」
「そういうあんたは高橋さん」
「あの高橋さんか」
「声優さんはあの人でもな」
帽子まで被っていてだ、あの顔立ちだ。
「あの高橋さんじゃないんだな」
「そうなんだな」
「ああ、俺は別の高橋さんだ」
このことを約束するのだった。
「だから肖像権の問題はない」
「と、いうことでな」
「その問題はクリアーだな」
「しかし声優さんは決まっている」
アニメ化の際のだ。
「あの人だ」
「だよ、かつてハド○ンにいた」
「あの人だよな」
「ハド○ンももうないが」
このソフトメーカーもだ、今では。
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