第40話
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で知識を披露する賈駆。
彼女は心理戦で重騎隊に勝利したのだ。
「もう少しよ月、この先に協力者が居るの」
「協力者?」
「洛陽でも大きな行商の者よ、彼と落ち合って荷馬車に移動するわよ」
「う、うん。この馬車は?」
「囮よ、流石に相国用の派手な馬車で追手は撒けないもの」
洛陽から脱出を果たした董卓と賈駆。
向かう先は戦地から少し離れた場所、協力者である商人の荷馬車に移り、荷に紛れてこの地を後にする手筈だ。
乗り心地は良くないだろう。豪族として生きてきた董卓と、その親友として生活してきた賈駆。
特に不自由なく生きてきた二人にとって、初めて味わう不便。道程も険しいが、背に腹は変えられない。
馬車が小刻みに揺れ始める、おそらく整備されていない道に差し掛かったのだろう。
合流地点まであと少し――その時だ。
『きゃあ!』
突如強い揺れが発生し、馬車内で二人の悲鳴が上がる。
気を張っていた賈駆は、董卓の体を押さえ両者の転倒を免れた。
「あ、ありがとう詠ちゃん」
董卓の礼に反応せず、賈駆は体をゆっくりと動かす。
表情から余裕が消え、冷や汗を流していた。
馬車が止まったのだ。先程の揺れは急に止まった事で発生したのだろう。
今自分達は一刻を争う事態、護衛と騎手を任された男もそれは承知している。その彼が馬車を止めたという事は、異常事態が発生した証だ。
「何があったの!?」
騎手へと通じる小窓を開け、状況を確認しようと騎手の背中に尋ねる。
「そ、それが前方に……」
「……味方?」
道を塞ぐように兵士達が立っている。その数約百人。
賈駆が困惑していると、兵士達の中から見知った者が顔を出した。
「ははは、驚かせて申し訳ない。お迎えにあがりました次第で」
笑顔で杖を突きながら現れたのは初老の男性、この地の脱出を担当する商人だ。
味方である事に安堵した賈駆は、董卓を伴い馬車から降りた。
「……合流地点はまだ先のはずですが?」
「ええ、しかし心配で心配で。こうして様子を見に来たわけです」
「それは!……いえ、感謝致します」
賈駆個人としては、余程の事が無い限り計画に無い行動は避けるべきだと諭したかった――が。脱出できるかどうかはこの男に掛かっているし、今の話を信じるなら自分達を案じての行動でもある、余計な一言で気分を害する必要はないだろう。
その時だ。商人の方に近づこうとした賈駆の耳に、背後から苦悶の声が聞こえた。
振り返ると――馬車の騎手だった男が、商人の連れてきた兵士達に槍で突かれている!
「な、これは!?」
「は
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