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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
第1章 薔薇の女帝編
S t o r y 1 0 Your future is ending ?
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急いで行くわよ!」
「あ、うん。」
地下の牢屋に向かうため駆け出したルーシィを追いかけようとしたコテツの肩を、ロキが掴んで引き止めた。振り返ったコテツに向かって、ロキは呆れ顔で小さなため息をついた。
「全く君は……いったい何をやっているんだ?」
「んー?いったい何のことかな、
レ
(
・
)
オ
(
・
)
?」
「誤魔化さないでくれ。」
哀れむような目で問うロキに対して、誤魔化すようにコテツは笑顔を絶やさずに首を傾げる。そんなコテツを見てロキは再び小さくため息を吐いた。
「ルーシィが僕を呼び出した時、すでにルーシィの魔力は限界で、僕を呼び出すことはできなかったはずた。なのにルーシィは僕を呼び出すことができた。……君がバレないように、自分の魔力をルーシィに受け渡したんだろう?」
「アハハ……さっすがだね。」
ロキの言葉に、コテツは観念したように肩を竦め、力のない乾いた声で笑った。
「大丈夫だよ。ルーシィに受け渡した魔力は、君を呼び出すことができる分だけ・・・ほんの、少しだから。」
「だとしても、君の魔力はルーシィの……いや、
こ
(
・
)
の
(
・
)
世
(
・
)
界
(
・
)
の
(
・
)
魔
(
・
)
力
(
・
)
とは別物なんだ。“器”がそもそも違うからね……。君の魔力を、“器”の違うルーシィや他の皆に与え続けたらどうなるか、このことは君が一番分かっているだろう?現に、敵が勘付いていたじゃないか。」
「………。」
ロキの言葉は全て的確で、コテツに反論する理由はなかった。
「……とにかく、これ以上危険なことをするのは止めてくれ。でないと、君が」
「分かってる!」
「!」
その先に続くロキの言葉をコテツは素早く遮った。そして、コテツはロキに笑いかけた。その笑顔はとても儚げで、今すぐにでも消えてしまいそうで―――――。
「ありがとう。わざわざ心配してくれて。」
その笑顔を見た瞬間、ロキはそれ以上何も言えなかった。
「僕は大丈夫。必ず―――必ず何とかするから。」
そう言うとコテツは、ロキの両肩にそっと手を置いた。
「これからも、仲間と一緒に
主
(
あるじ
)
を―――ルーシィを守ってあげてね。頼りにしてるよ、獅子宮のレオ。」
「……あなた様の、仰せのままに。」
いつもの、爽やかでやわらかい笑顔に戻ったコテツの言葉に、
レ
(
・
)
オ
(
・
)
は片手を添えるように胸に当て、片膝をつきながら恭しく頭を僅かに下げる。
「ちょっとコテツー?何してるのよー?早く早くー!」
ルーシィの声が聞こえた。
「わぁ〜!待ってよルーシィー!酷いなー!おいてかないでよ〜!」
コテツは何事もなかったように、ロキを置いて足早にその場を走り去ってしまった。その姿を見届けたロキは星霊界に帰っていった。
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