episode6 ーQueenー
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事休すかと思われたその時、フィールドからアサルト・キャノン・ビートルの姿が忽然と消える。
そして、重々しい羽音を響かせ、アサルト・キャノン・ビートルのいた位置へと新たなモンスターが降り立った。
「なにっ!?」
「何も驚くことではない。俺は〈魔法の筒〉に対し、〈フロント・チェンジ〉を発動させたまで。それによって、〈アサルト・キャノン・ビートル〉は融合デッキへと戻り、〈コンバット・シザー・ビートル〉が召喚されたのだ!」
〈コンバット・シザー・ビートル〉☆8
ATK/3800
〈アサルト・キャノン・ビートル〉より一回り大きく、そして厳つい機械族モンスターが、明日香さんの前に立ち塞がる。しかも、反撃の〈魔法の筒〉は不発に終わり、バトルフェイズ中の召喚のため、万丈目さんには攻撃権が残っている。絶対絶命だ。
「さぁ、今度こそ終わりだ、天上院君!〈コンバット・シザー・ビートル〉で〈韋駄天〉を攻撃!」
「明日香さんっ!」
コンバット・シザー・ビートルが鋼鉄の羽を震わせ、韋駄天へと突撃を開始する。韋駄天こそ、鉄扇を構えるも攻撃力の差は歴然。コンバット・シザー・ビートルの前に呆気なく粉砕される。
「そして、〈コンバット・シザー・ビートル〉は戦闘で相手モンスターを破壊した時、1000ポイントのダメージを与える!受け取れ、我らが斎王様の光の洗礼をっ!!」
「っ!? キャァァァァァ!」
[天上院 明日香]LP1600→0
不必要なはずの追撃。放たれた光線が明日香さんの体を貫き、衝撃に震える。力なくフィールドの上で倒れ伏す明日香さんへと万丈目さんが歩み寄る。一方で、ふらふらとおぼつかない様子で、立ち上がる明日香さんを心配し、十代先輩達と一緒に駆け寄った。心配させまいと、笑みを浮かべるが、私たちを見ているようで見ていない。何所か別の場所を見ているような気がした。
「心配しないで、みんな。……私は素晴らしい体験をしたのだから」
「えっ……?」
虚ろな光が灯った瞳を天上へと向ける先輩。思いがけない言葉が私たちを驚愕させた。
「これで私も光の結社の洗礼を受けられたのね」
「ふっ、そういうことだ」
「そん、なっ……」
凛々しく、優しい明日香先輩の姿はなく、私の目の前に立っているのはまるでに明日香先輩に似た別人のようだった。
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