機動戦艦ナデシコ
1292話
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える必要はない。
火星までの道のりは、俺以外にも暇を持て余している者は多い。
そんな奴等は時々妙な真似をする。
数日前に行われた、ナデシコの通路を使った鬼ごっことかな。
だから、それくらいの事であれば俺も気にはしなかっただろう。
だが、こっちに近づいてくる奴等が殺気立っているとなれば話は別だった。
まさかネルガルが裏切ったのか? 一瞬そんな考えが脳裏を過ぎったが、火星までもう少しってところで俺を裏切っても、意味はない筈だと思い直す。
プロスペクターにしろ、ゴートにしろ、エリナにしろ、ネルガル側の意向で動いている者は全員が俺がどれだけの力を持っているのか知っている。
生身での戦いに関しても、ゴートとの小競り合いに近いやり取りや、サツキミドリ2号で行われたエステバリス隊との生身での戦いでどれだけのものかは知っている筈だ。
である以上、ネルガルが迂闊な行動を取るとは思えず……
そんな風に考えていると、ハルカが俺に身体の柔らかい部分……主に、凶悪な破壊力を有する双丘を押し当ててくる。
「じゃなくて、今はそんな事をしている場合じゃないから、落ち着け。……いいな? 騒ぐなよ?」
最後の言葉だけを聞けば、まるで俺がハルカを襲っているようにすら聞こえてもおかしくないな。
ハルカが頷いたのを確認して手を離すのと、部屋の来客用ブザーが鳴るのはほぼ同時だった。
これでハルカも、俺が何を警戒していたのかを悟ったのだろう。真面目な表情を浮かべ、無言でこっちに視線を送ってくる。
「少し待ってろ」
そう告げ、誰が来たのかを確認する為に扉の近くにあるモニタを起動する。
すると、そこに映し出されたのは……ウリバタケ? いや、ウリバタケだけではない。リョーコやヒカルといった面々に、整備員の者達。後はナデシコで働いている者達も何人か。
……どういう集まりだ?
疑問に思いながらも、そのモニタに向かって声を掛ける。
「何の用件だ? 妙に殺気立っているように見えるけど」
『ああ、ちょっと見逃せない事が起きてな。それに、アクセルも協力して欲しいんだよ』
「……見逃せない事?」
言葉を返しながらも、別に俺に対して害意を持っているって訳じゃないのはすぐに判明したので、扉の鍵を開ける。
「おう、悪いな。ちょっと話をした……く……て……」
何故かウリバタケが言葉の途中で止まる。
いや、それはウリバタケだけではない。リョーコやヒカルといった、他の面々も同様だった。
「どうした?」
「どうしたじゃねぇっ! おまっ、お前! 何だって部屋に女を……それもハルカちゃんのような美人を連れ込んでるんだよ! お前みたいなのがいるから、格差社会がだな!」
「ちょっと、ウリピー。今はそういう事を言い
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