十五節:チヨメの実力・上
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側面より踏み込みからの刺突を喰らわせる。
更にもう一度軽く突くと、今度は手首を滑らかに後方へ反して……手なれた所作でソードスキルを始動させる。
細剣スキル【アヴォーヴ】の落ち着きを感じさせる紫白い光が薄く尾を引き、その光とは裏腹な荒々しさで尖端を引っ掛ける様に切り上げた。
カウンター攻撃判定のボーナスも合わさって、一体目の【ウィンド ワスプ】も頭から地面に落下させられる。
またも細剣使いは目標変え、遠間に居る体力が著しく減った2体目に接近。
ソードスキルの無駄遣いを控えて通常攻撃の連続技で仕留め、その2体目をポリゴン破片へ変えた。
「まず1匹……」
「“ヴヴヴ……ッ!!”」
剣を振う間にも、まだ健在な1体目は既に攻撃態勢へ移行している。
恐らくはモンスター専用のソードスキルであろう、ライトエフェクトを毒針へ纏わり付かせた。
見るからに危険だと分かる、濃緑色の毒々しい光を。
一瞬のホバリングから、【ウィンド ワスプ】が一気に飛来する。
その一撃は、スキルによる補正も手伝い宛ら騎兵槍の如き迫力を持ちながら、細剣使いを貫かんとに突撃してくる。
「無駄よ」
されど、女性らしきその細剣使いには、軌道も狙いもお見通しであり……ヒラリ、躍るような所作で悠々回避してしまう。
間髪置かず細剣スキル2連撃【パラレル・スティング】を始動させ、またも背後から胸部と腹部を乳白色の輝きを持って貫いて見せた。
HPを喰らい尽された【ウィンド ワスプ】は不自然な体勢で硬直し―――青い光を放射状に迸らせ、直後に爆散しその身をガラス状ンポリゴンへと変えた。
「……っと」
チン……! ……と、高らかに音を立て鞘にレイピアを納める女性細剣使いは、余裕にも程がある戦闘だったらしく全く疲れを感じさせない。
寧ろ同じ敵ばかりで飽き飽きしているか、片眉を下げて溜息まで吐いていた。
彼女は暫し立ち尽くし、当たりを緩慢な動きで見渡すと、一旦安全地帯へ踏み込んでから適当な椅子に腰かける。
そこで風がそよぎフードが捲られ、下から現れた顔は―――キリトやグザとパーティーを組み、第一層にて共に視線を乗り越えた少女・アスナのものだった。
どうもキリトは一緒じゃあ無い様だが、彼女の細剣術の腕前はかなり高い。
たった一人で迷宮区の上層まで行きぬいて見せたのだから、その実力は良い意味で推して知るべしである。
「ふんふ〜ん♪」
鼻歌を歌いつつメニューを指で繰る彼女の顔には、コレまたキリト等でも滅多に見れない、純粋な喜びから来る笑顔が浮かびあがっていた。
とても魅力的なそ
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