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八神家の養父切嗣
三十七話:襲撃開始
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う。だが―――目の前にひしめく何十体もの敵全てを倒していく余裕などあるのだろうか?

「今のうちに撤退するわよ!」
『了解!』
「あ、待つッス!」

 相手の数の多さにノーヴェ達が固まってしまった隙を突き離脱を計るフォワード陣。軍団の中から四人だけが通路の闇に消えようと走り出す。慌ててそれを追いかけようとするノーヴェとウェンディ。もしもこの二人が初陣ではなくある程度経験を積んだ状態であれば気づけただろう。ワザと分かりやすいように四人だけ(・・・・)を動かした理由を。

「隙あり!」
「ぐあっ! タイプゼロがなんで残って…!?」
「なっ!? 本物は残ってたんスか!」
「残念だけどそういうことよ」

 突如として何もない空間から現れたスバルにより先ほどのお返しとばかりに蹴り飛ばされるノーヴェ。その様子を見て自分達が追っていたのは囮で本物は自分達の隙を突くために残っていたのだと悟るウェンディだがもう遅い。目の前に迫っていたキャロの援助を受けたストラーダの一撃からは逃れられない。

 なすすべなく渾身の一撃を受けてノーヴェと同様に吹き飛んでいくウェンディを確認するとティアナは今度こそ本当の撤退の合図を送る。さらに今度は幻影を四方向全てに分断させる形で相手に場所を悟らせないように。

「くそっ! あいつらやりやがったな!」
「どうするっスか。今から追っても追いつけるか微妙っスよ」

 身体の頑丈さから大したダメージは受けていないため、すぐに起き上がり悪態をつくノーヴェ。逆に今からどちらに向かったのかを割り出して追っても間に合わないと分かっているのかゆっくりと起き上がるウェンディ。どちらの様子もまだまだ戦うことは可能なことを示しておりあのまま戦っていれば持久戦になりフォワード陣は大幅に時間をロスしていたことを思わせる。

【ノーヴェ、ウェンディ、少しこちらに来てくれないか? 今タイプゼロファーストと交戦中だ】
「チンク姉? 分かったすぐに行く」
「でも、こっちの方はどうするんスか?」

 分かれて行動中だった姉であるチンクからの通信が入り、彼女を慕うノーヴェは考えることもなく彼女の命に従う。ウェンディの方はいくらか冷静であるために取り逃がしたフォワード陣をどうするかを問う。

 二人はスカリエッティから彼らを捕獲して研究所に招くように頼まれている。もっとも、スカリエッティならば失敗したのならばそれはそれで仕方がないとさほど気にしないであろう。それが分かっているためかチンクは問題はないと返す。

【逃げられたのならひとまずこちらを優先したい。それに―――そちらには彼が居る】





 見事な作戦によりノーヴェとウェンディの手から逃れることに成功したフォワード陣。彼らはその勢いに乗るがごとく合流場所
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