第17話 口論
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木山がアンチスキルと交戦する少し前のこと。
病院から判明した揺るぎない証拠に出動したアンチスキルは容疑者である木山春生の研究室へと踏み込んだ。
ジャッジメントである白井を中心に御坂とサソリも前に訪れたジャッジメント本部にてアンチスキルから木山の動向を探る。
「アンチスキルからの連絡です。AIM解析研究所に到着したようですが。木山も初春も消息不明だそうです」
イヤフォンとマイクがセットになったインカムを耳に掛けて白井がアンチスキルからの連絡を受ける。
その情報により深まる容疑。
ほぼレベルアッパー事件の犯人として疑いようがなくなる。
初春の安否が気になる中、御坂の顔には緊張したように強張った。
サソリは、白井にパソコンを起動してもらい、初春が抽出したレベルアッパーの音声データを元に構成された波形パターンを写輪眼で見透かしていた。
「......なるほどな......大体想定通りか」
音を使った幻術と似ている。
細かい部分は違うが......自分と波長を合わすのには充分過ぎる程に計算されて造り上げられている。
「初春さん、無事だと良いけれど」
「そうですわよ」
二人が心配そうな声を出す中
「今の所は無事だ」
サソリが画面を見ながら一瞥もせずに答えた。
「分かるの?」
「初春に持たせた砂鉄。あれにはもう一つ細工がしてある。持っている奴に衝撃やある一定の音がなった場合に自動的にオレに伝わるし、防衛の働きもする。まだ初春から力を使っているようだから無事だろうな」
「防衛の働き?」
「オレが最後くらいに殺り合った砂の忍の術を参考にさせて貰った。更に...!?」
「?!」
ピリリと携帯電話の着信のような電気刺激がサソリと御坂が感じ取り、揃って同じ方向を見た。
「何かありましたの?」
一人何か分からない白井が二人を交互にみた。
「今の何?」
同じ動作をしたサソリに御坂が訊いた。
「お前も感じたか...... どうやら砂鉄に衝撃が加わったようだ」
!!?
あの木山が初春を手にかけるとは到底考えられないが......
御坂のアンテナでは詳細に判らずにサソリの言葉に意識を集中させる。
「......かなり小さい反応だ......砂鉄を落としたみたいだな......ったく」
何があって落としたかは不明だが、その後に衝撃反応がない所をみれば、不注意で落とした可能性が高い。
防衛装置はまだ発動していない。
アイツの鈍臭さを計算に入れるのを忘れていたか......
「まあ良い」
サソリは、傀儡人形に向けてチャクラ糸を出して初春に待たせた砂鉄にチャクラを集中させる。
距離は離れているが、埋め込んだチャクラから探る。
「かなり早く移動しているようだな。速さは東向きに時速100kmくらい..
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