暁 〜小説投稿サイト〜
ガールズ&パンツァー《復讐の戦争》
第一話 クーデターの兆し
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
男、後藤喜一警部補は眠気を我慢しながらも競馬新聞片手に競馬実況放送を聞きながら職務(?)についていた。
「後藤さん、いい加減職務中に競馬予想するのはやめて頂戴」
同僚の南雲しのぶは後藤の方を見ると、そう一言だけ言った。後藤は「はぁーい」と返事だけして、全くやめる気配がない。
「後藤さん競馬もいいけど、たまには外を見ない?気持ちいいもn「しのぶさん、今日はくもりだよ」
「わ、分かってるわよ」
突然の後藤突っ込みに半ばひきつりながらも返答した。と、いきなり後藤がこっちを睨むように見る。南雲は普段そんな顔をしない後藤に少しビックリしながらも、「なに?」と言う顔で後藤を見た。
「しのぶさん、少し窓から離れてくれない?」
「どうしたの?」
「いいから」
そう言われた南雲は窓から離れると、後藤が立ち上がり窓の外をじっと見据えた。目線の先には、東京湾横断橋通称レインボーブリッジがある。
「後藤さん?レインボーブリッジがどうかした?」
「しのぶさん、あれ何かな?」
「え?」
その言葉に南雲が振り向いた途端、目の前にあったレインボーブリッジが爆発した。その爆発の衝撃波が埋め立て地の特車二課まで届いた。
「きゃぁぁぁぁ!!」
レインボーブリッジは炎を上げながら、軋む様な音を立てて崩れ落ちた。うっすらと悲鳴も聞こえてきた。
「しのぶさん直ぐに出動準備!!」
「・・・!わ、分かったわ!!」
南雲は仮眠中の第一小隊隊員達を起こしに行くため大急ぎで部屋を出た。後藤は燃え盛るレインボーブリッジを見ながらその場に立ち尽くすしかなかった。
  ・  ・  ・
市ヶ谷
防衛省
「爆発!?レインボーブリッジが!?」
「はい」
事務官の報告を聞いた防衛大臣はすぐさま官邸直結の電話を繋ぎ、総理に現状を報告するように伝えた。
「大臣、どういたしますか?」
「くそっ!遂に本性を現したな、国防庁め!!」
「は?」
防衛大臣はペットボトルのお茶をがぶ飲みすると、激しく机の上に置いた。こめかみにはうっすらと血管が浮かんでいる。
「やつらのクーデター計画だ!!防衛省情報部からの報告はあったがこの時期とは・・・」
「長官に抗議文を送りになられては・・・」
そう言った事務官の言葉に、大臣は勢いよく机を叩いた。
「そんなことでは遅すぎるっ!!事務官、総理に緊急閣僚会議を召集するように要請してくれ!」
「分かりました!!」
事務官が慌てて部屋を出ていったのを見送ると近くの壁を再び勢いよく蹴った。外からはパトカーと救急車のサイレンが木霊し、鳴り響いていた。




[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ