第1章始節 奇縁のプレリュード 2023/11
7話 互いの進む先
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「だから預かってて欲しいんじゃない。旦那がやる気を出してくれたら、スレイド君から私達に渡してほしいの」
「そういうのはギルドの仲間に頼れないのか………」
「だって、そんなことしたら足がつくでしょ。ストレージだって共有してるんだから私はもう論外。それに、貴方が仲人をしてくれれば私が嬉しいし」
頼られていると思えば聞こえはいいが、果たして俺で大丈夫なのだろうか。
いや、考えても無駄か。グリセルダさんのことだ。なんだかんだでどうにかしてしまうだろう。
「あまり高望みはしないでくれよ」
「大丈夫よ。こういうのって、気持ちがモノを言うんだから」
「自分からワガママに巻き込んでおいて気持ちも何もないだろう」
「でも、助けてくれるんでしょ?」
悪戯っぽい笑顔で、問いかけられる。
まったく、上手いこと掌で踊らされているような気もするが、そう思うと敗北感が込み上げるので、面倒な思考は放棄する。
「………まあ、そういうのも悪くないな」
面倒事に巻き込まれながらも、嫌な気はしない。
少しだけ楽になったから安心したのか、友人と気が合ったことが嬉しいのか。
………どちらにせよ、もう少しだけ頑張れるという思いだけは、嘘ではなかった。
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