42.La La Bye…
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鎧の襲来によってパニックになった一般人が逃げ出した今、街の中はこの一角だけに不気味な沈黙が訪れている。常に人ごみに塗れている場所からいるべき人が消えた空疎な空間。しかし、その沈黙は長く続かず、大地を駆け回る複数の足音とそれを追跡するけたたましい鎧の足跡が静寂をかき乱す。
『ろ?ろ?ろれれれれれれれええ〜〜……えげり?りままれここここここここ………ウギャアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!オオオオアアアアアアアアアアアアアッ!!!』
『御犬様は雄大!!御猫様は尊大!!御馬様は強大!!御鼠様は偉大!!そしてて人間は不完全Dr;出来損なbs?jぃぃぃぃぃぃぃぃあああああああああああAAAAAAA!!!』
「俺達は畜生以下かよ!?」
「真っ当に相手するな!どうせ正気を保ってはいまい!それより次の曲がり角を右ぃ!」
「あいさっ!!」
妙に道を走り慣れた男達は息の合った動きで障害物を次々に飛び越え、角を曲がっていく。鎧は半ば獲物を追う本能のような野性的な動きでそれを追跡し、男達と鎧の距離は中々離れない。鎧にはスタミナというものがなく、対して逃げるばかりの男達は時間が経てば減速せざるを得ないのが明確だった。
やがて男達は逃げ場のない路地に追い詰められる。
「うげっ……思ったより狭い」
「泣き言いうな、男だろ!!ここで迎え撃つしかないんだよ!!」
「来るぞ!!」
周囲の障害物を強引に押しのけるように突撃する鎧たちは、獲物が入り込んだ路地に一斉に殺到し――そこに誰もいない事に気付いて動きが一瞬止まった。その隙を――素早く屋根の上に登っていた男達は見逃さなかった。
「あーあ……これシャンパン並みに高いんだけどな〜」
「俺達からの奢りだ、たらふく喰らえよ気狂い共がッ!!」
鎧の目に映ったのは自分たちに向かって投擲された複数のガラス瓶。
そして、ガラス瓶は鎧に命中して割れ、中の液体が鎧に降りかかる。
ガラス瓶など何のダメージにもならない――そう判断したのか鎧がさらに進もうとした刹那――鎧達の背中が強く輝いた。
直後、凄まじい爆炎と閃光が路地を激しく揺るがした。
「どうだ、やったか!?」
「鎧はバッチリ粉々だ!作戦成功っとぉ!」
「やれ、フラグは不成立に終わったか……焦らせやがる」
屋根の上から見下ろす先には、内側からひしゃげた複数の鎧の動かぬ姿があった。
同刻、街の別の場所でも爆音が上がる。
「ぬあっ!爆発の衝撃で壁が抉れとる!!」
「多少の被害はしゃーないしゃーない!」
「まったく、避難が済んでるからいいものを……」
「おい、C班も片付いたみたいだ!次行くぞ!!ポーションの残りはあと何本だ!?」
「非常時だからアズライールの無人販売所から一杯パクって
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