シーン6〜7
[10/12]
ログインしてください。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
春香「先生…。六年生の時担任だった、綿貫先生?」
背後で今度はジャージの女がスポットライトに浮かぶ。
(女児の声)『(女の子二人の泣き声)かわいそうに…ほらほら、もう泣かないで。
今日からおばちゃんが、あんたたちのパパとママになってあげるからね。
心配いらないわよ。さあさ、こっちにいらっしゃい。』
(女児の声)『おばちゃ〜ん、うえ〜〜ん…』
春香「おばちゃん? 純子おばちゃん。」
背後で夫婦がスポットライトに浮かぶ。
両親の声『(母)春香、宿題を終わらせてからでないと遊びに行っちゃだめよ。』
『(父)算数の宿題か、よーし、パパが手伝ってやろうな。』
『(母)あなた、春香を甘やかさないでちょうだい。』
『(父)いいじゃないかママ、少しぐらいなら… なあ、春香。』
(女児の声)『うん、ありがとうパパ。』
春香「パパ… ママ…」
廊下の壁に猫のシルエットが浮かぶ。
(女児の声)『(泣きながら)みーすけが死んじゃったぁ〜』
(父の声)『そうか…、可愛がってたのになぁ…』
(母の声)『春香の手でみーすけをお庭に埋めてあげなさい。』
(女児の声)『(泣き叫ぶ)みーすけ! みーすけ〜〜!』
背後で猫の泣き声が響く。
春香「みーすけ…」
春香、少し落ち着きを取り戻し、静かに立ち上がる。
春香「みんな、来てくれてたのね。私のそばに… 私を迎えに…」
やがて雨音が止み、春香がスポットライトに包まれる。
安らいだ表情になる春香。
正木「あなたのように一人暮らしで仕事熱心な方ほど、自分の死に気づくのが遅れるみたい。
セミナーの方たちもみんな、お迎えの方と一緒についさっき旅立たれようですよ。
でも野口先生はまだ気づいてないみたい。あの方にもお迎えが来ているはずなんですけどねぇ…。 このままだと、いつまでも病院の中をさまよい続けることになるわ… やっぱり、私からお伝えした方がいいのかしら…」
春香、両親やおばたちに囲まれる。眩しいの光に包まれる春香たち。(暗転)
部屋に内藤と堀が賑やかに入ってくる。
内藤が堀に二枚の写真を見せながら
内藤「ねねねねっ、どっちがいい?
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ