シーン6〜7
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戻らないと、看護師さんに叱られますよ。」
女「あなたきれいな髪の毛してるのね。ちょっと撫でてもいいかしら?」
愛おしそうに春香の髪を撫でる女。今度は肩に手をやると
女「あら肩こりがひどいわ。私ね、マッサージうまいのよ。」
肩をもみ始める女。迷惑そうな顔の春香。
その時、背後に視線を感じて振り向く春香。
制服姿の男が身を隠すように逃げる。
春香、慌てて後を追うが、すぐに戻ってくる。
女「どうかしたの?」
春香「今、誰かがそこに…。そうだ、野口先生に知らせないと。」
春香、急いで部屋を出ていく。
しばらくして制服姿の男が部屋にそっと入ってくる。
春香のパソコンを覗き込む。
男に近づく女。女に気づくが慌てる様子もなく、ぼんやりとした表情で女を見つめる男。
やがてうなだれた様子で部屋を出て行く男。
そこへ、春香が野田を連れて戻ってくる。
春香「ここです。ここに、男が立ってたんです。」
野口、廊下の周辺を調べるが、それらしき男はいない。
春香「(女に)私が部屋を出たあと、制服姿の男がここに来ませんでしたか。」
女、首を横に振る。意味深な笑みを浮かべて部屋を出ていく女。
野口「いったい何者なんだろう…。」
春香「もしかすると……」
野口「なにか思い当たることでも?」
春香「ひょっとするとあの人、バス会社の人間かもしれません。」
野口「バス会社の? でもなんで…」
春香「セラピーに通う乗客の様子を見張ってるのかもしれません。」
野口「どういうこと?」
春香「実は、今バス会社の勤務実態について調べてるところなんです。」
野口「勤務実態?」
春香「ええ。事故を起こしたバス会社なんですが、以前、過労運転防止違反で
行政処分を受けていることがわかったんです。今回の事故も、そのことと
関係があるのかもしれません。」
野口「じゃあ、事故について患者さんが警察やマスコミに不利な証言をしないように…?」
春香「セラピーで事故について何かわかったことはありませんか。」
野口「それが、事故の瞬間のことをみなさんあま
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