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天使の箱庭
シーン6〜7
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女「そんな、遠慮しなくてもいいのよ。                         
  あら… 少し寒くなってきた? 空調の温度上げましょうか?」
     
春香「いえ、ああ、でも寒ければ上げてくださっても。」                                                         
 女「仕事熱心なのねぇ。雑誌の記者さんですって?                    
   例のバス事故の取材をしてるって聞きましたよ。」
     
春香「失礼ですが、あの事故の乗客の方ですか?」
      
 女「私? いえいえ。私は違うの。」
     
春香「そうですか。」
      
 女「…あなた、独身?(自分の薬指を指す)」
     
春香「え? あ、はい。」
      
 女「恋人ぐらいはいるんでしょ? あなた美人だもの。」
         
そこへ野口がキョロキョロしながら入ってくる。
     
野口「(女に気づき)どこの病棟の方ですか? もうすぐお昼ご飯の時間でしょ? 
   早く病室に戻ってください。」    
         
女は二人を意味深に見つめながら部屋を出ていく。
     
野口「(春香に気づき) あれ、もういらしてたんですか。取材は一時からでしたよね…」
     
春香「すみません、私、せっかちなもので。あ、夕べはありがとうございました。
   先生のレクチャーもたっぷ伺えて楽かったです。」
     
野口「これからもたまには、仕事抜きでデートしましょうね。」
     
春香「うふふ、はい。」
     
野口「ところで、ここに上がってくる途中、不審な人物を見かけませんでしたか? 
   制服姿の男なんですが…」
     
春香「制服姿の? いいえ。」
     
野口「最近、このフロアで怪しい男がうろついてるのを何度か見たもんで。          
   どうも気になるんですよ。もし、それらしい人物を見かけたら、すぐに
   知らせてもらえますか。」
     
春香「わかりました。」
     
野口「それじゃ、またあとで。」    
         
野口、部屋を出ていく。ジャージの女がコーヒーを片手に戻ってくる。
      
 女「はい、コーヒー。」
     
春香「ああ、すみません。ありがとうございます…。あ、お金…」
      
 女「ああ、いいの、いいの。それより、今の先生、あなたの(恋人)…?」
     
春香「ああ、いえ…。」
      
 女「嘘。お二人ともいい感じだったわよ。」
     
春香「そろそろ病室に
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