10部分:第十章
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がそれでも予想通りだとも思う小田切君であった。そんなことを考えながらそのうえで博士とさらに話を続けるのであった。
「それでですね」
「うむ」
「あの朱雀門から入るんですよね」
「当然じゃ」
この返事にも何の迷いもなかった。
「あそこが復元されるからには入らねばな。話にならんじゃろ」
「あの門が破壊されなかったらいいんですけどね」
「何度も言うが形あるものは必ず壊れる」
「必ずっていいますけれどね」
「戦いの最中でどうなってもそれはそれで絵になる」
博士にとってはそういったことはむしろ華であるのだった。
「では。よいな」
「ええ。じゃあもう野となれ山となれで」
小田切君の言葉は投げやりなものにもなっていた。しかしそれでも言うのであった。
「見ていきますか」
「ふむ。見えてきたぞ」
その朱雀門が映像でもいよいよ見えてきたのであった。パソコンの前には博士と小田切君だけでなくライゾウとタロも一緒にいた。
「ああ、あれが朱雀門か」
「中々いいじゃない」
ライゾウとタロは門を見てすぐに褒めるのだった。
「あの門だったらな。復元しても文句ないよな」
「歴史を感じるしね」
「よいことじゃ。歴史を破壊する」
博士の興味はそこにしかなかった。
「いざとなればのう」
「っていうか壊す気満々じゃないか」
「この博士だけはしようがないね」
ライゾウもタロもそんな博士には呆れるばかりであった。だが彼等がそんな話をしている間にもマスコット達はその朱雀門にさらに近付いていた。
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