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dark of exorcist 〜穢れた聖職者〜
第34話「刻み込まれた記憶・2」
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すると、祭壇は鈍い音を立てて元の位置からずれ、その下から地下へ通じる階段が現れた。
「隠し階段……こんなものが」
「古い教会には少なからずこうした隠された階段や部屋が存在するものですよ。さあ、こちらです」
ローブの男は、祭壇に置いてあった火のついたロウソクを手に取り、隠し階段を下り始めた。
クリスも後を追いかけ、ゆっくりと階段を下りる。
祭壇の下にあった階段は予想していたよりも深く、下りるほどに空気がジメジメとしていて気持ち悪い。
それに、教会には不釣り合いな血生臭さを感じる。
「それにしても、驚きです。教会の地下にこんな場所が……」
「この先は異教徒や悪魔に加担した愚か者を尋問するための地下牢があります。悪魔の眷属はそこに…」
「そうですか……」
「いやはや、お恥ずかしい限りです。この街に穢れた悪魔の存在を許してしまうなど……」
「………我々悪魔狩りも、一部の人間から"穢れた聖職者"と呼ばれています。悪魔を"祓う"
祓魔師
(
エクソシスト
)
よりも、悪魔を
"狩る"悪魔狩りの方が印象が悪いから、でしょうけど」
「悪魔狩りの方々が穢れている? とんでもございません! 悪魔狩りの皆さまは人々の幸福と世界の安寧のために日々
命を賭して戦っておられる"正義の柱"でございます! 真の穢れは……この先の地下牢にいるような屑のことでございます!」
「穢れ……か…」
ローブの男の熱弁に内心苛立ちながら、地下に続く階段をひたすら下っていく。
地下牢とやらは一体いつになったら着くのだろうか。
この男の不快な熱弁をまともに聞いて苛立ったせいで、時間の感覚が狂い始めている。
実際には3分階段を下っているだけだが、クリスにはそれが数時間にも感じた。
「さあ、こちらです」
ようやく階段を下り終え、見えたのは暗く長い廊下。
ロウソクの火があるとは言え、照らされるのは足元と左右の壁ぐらいだ。
廊下の左右には古ぼけた木の扉が並んでいた。
木の扉には鉄格子が取り付けられており、部屋の様子が伺える。
さすがに人はいなかったが、錆びついた鎖や刃の欠片のようなものが、ボロボロの石畳の上に散乱していた。
歩きながら横目で鉄格子の中を覗くが、どの部屋も似たような状況だった。
長い廊下を苛立った気分で歩きながら、時折左右の扉に視線を向ける、といった動作を繰り返していたその時
「…………〜〜〜〜〜〜ッ!!!」
「?」
廊下の向こうから何かが聞こえた。
薄暗くて向こうの様子は見えない。
「(今の…………女の子の悲鳴、か?)」
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