暁 〜小説投稿サイト〜
dark of exorcist 〜穢れた聖職者〜
第34話「刻み込まれた記憶・2」
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が並び、さらにその先には花が供えられた粗末な祭壇があった。
ステンドグラスも薄汚れていて、日の光を浴びているはずなのに、寒さを感じるほど薄暗い。
さすがにホコリやクモの巣などといったものは見られないが、それでも清潔感がない。
ヴァチカンの教会や大聖堂と比べてしまうと、こちらが遥かに不潔という印象が強い。
しかし、粗末な祭壇の上に飾られた大きな銀の十字架だけは、磨いたばかりのような輝きを見せた。
その輝きは神々しさを纏ったものではなかった。
どちらかと言えば…………威圧感や圧迫感。
この十字架の存在そのものが、異教徒や悪魔に対する警告のように思えた。
「………」
十字架を長く見つめていたクリスは、無性にその十字架を殴り壊したくなってきていた。
今目の前にある大きな銀のオブジェが、全てのフォールマン……自分たちへの侮蔑の塊に見えてきたのだ。
「…………僕らにだって、生きる権利ぐらいはあるんだ……」
銀の十字架に向かって、小さな声で呟く。
「これはこれは……こんな小さな教会にようこそおいでくださいました」
突然後ろから声をかけられ、クリスは静かに振り向いた。
「(教会の人間か……今の呟きは…聞かれてないか……)」
クリスの目の前には、白いローブを着た壮年の男性が立っていた。
その首には金の十字架を提げていた。
にこやかな笑顔を浮かべてはいるが、今クリスが被っているフードを外せばどんな顔をするか。
「あぁ、教会の方ですか? すみません、ノックも挨拶もせずに勝手に入ってしまって……」
「いえいえ、構いませんよ。教会は来る者を拒みません。失礼ですが、貴方は? この辺りでは見かけないお顔ですが…」
「信用していただけないかもしれませんが……実は僕、ヴァチカンの"ルークス・ソーリエ"からの指示を受けてここに来ました」
"ヴァチカンのルークス・ソーリエ"という言葉を聞いた途端、ローブの男は笑顔を急に引き締めた表情に変えた。
「こ、これはとんだ失礼を! 悪魔狩りの方でしたか!」
「えぇ、まぁ。この街の噂を聞きつけまして……その真偽を確かめて来い、と上から指示を受けてこの教会に……」
「そうでしたか………悪魔狩り連盟の本部の耳に届いていらっしゃったとは…ご案内いたします。こちらへどうぞ」
そう言うと、ローブの男は祭壇のもとへ歩き出した。
クリスが見た限りでは、この教会には出入り口以外に扉はない。
この男は自分をどこに案内しようというのか。
そう疑問に思うクリスをよそに、ローブの男は祭壇に両手をかけた。
「少しお待ち下さい」
男は祭壇に触れる手の力を強め、前方
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