第二十六話 困った子ですその四
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「佐野先輩がそうだったし」
「ああ、佐野先輩時々広島弁出てたわよね」
「そうそう」
じゃけえ言葉が出ておられました。これを使う女の子は可愛いって言われているそうですし私もそう思います。けれどどうしてもはだしのゲンとかBADBOYSなんていう漫画を思い出します。あの漫画を見ていて広島の人達って何で皆一人称がわしなのかしらって思っていました。
「一人称もうちになってたしね」
「やっぱり地元の言葉って出るわよね」
「ちっちだって時々神戸弁出てるわよ」
「あっ、やっぱり」
これは自分でもある程度自覚していました。
「出てるの」
「今でもね」
「まあちっちはそれ程でもないけれど」
「かといってもこっちの言葉もあまり入ってないわよね」
おぢばの言葉は天理弁です。奈良の言葉なので所謂関西弁です。そういえばあの阿波野君の言葉も奈良の言葉になります。
「結構普通の言葉になってるし」
「それが結構不思議だったりするけれどね」
「不思議なの」
言われても何か戸惑います。
「そうかしら」
「まあ不思議っていうのは極端かも知れないけれど」
「方弁があまり感じられないのは確かね」
「そうそう。最近じゃ特にね」
「これでも神戸弁出てると思うけれど」
自分じゃそう思うんですけれど実際は違うみたいです。
「違うのね」
「あまりね」
「まあ皆ここに何年かいればそれこそ」
「それぞれの方弁じゃなくなるし」
やっぱりおぢばの言葉になってしまいます。周りも皆そっちの言葉ですから。長池先輩もそうでしたし佐野先輩にしろ時々そうなる位でしたから。
「まあ言葉はいいわね」
「結局あまり違わないし」
「いいの?」
「ええ、いいの」
一人の娘が私に答えてきました。
「だってそれよりも気になることがあるし」
「気になることって?」
「私は応援してるからね」
にこりと笑って私に言ってきました。
「ずっとね」
「ずっとって何が?」
何が何なのか全くわかりませんでした。本当に何が言いたいのか。私はそうなんですけれどどうも皆の顔が。変わってきました。
「あの、だからね」
「応援してるっていうのは」
「応援って何に?」
やっぱりどうしてもわかりませんでした。
「別に私そんなふうにされることしてないけれど」
「駄目ね、これは」
「ええ。幾ら何でもこれは」
どういうわけか皆ここでお手上げといった顔になりました。
「鈍いにも程があるわよ」
「全く。ちっちときたら」
「だから。何なのよ」
どうしてもわからないので皆に尋ね返しました。
「言ってる意味わからないけれど、本当に」
「わかるように努力しなさい」
「右に同じ?」
「!?」
どうしてもわからないので猫みたいに首を傾げてしまいました。
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