第二百五十話 信長の先陣その一
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第二百五十話 信長の先陣
信長は周防に入るとすぐにだった、自身が率いる軍勢を先陣にして第二陣に信玄や謙信等諸大名を置いてだった。
右に徳川、左に浅井と長宗我部の軍勢を置きそして第三陣は織田家に古くから仕えていた柴田達を置いてだった。
本陣は信忠に任せた、そのうえで自らが先頭になって進むのだった。
その信長を第三陣から見つつだ、安藤は唸って言った。
「上様ご自身が先陣を務められる」
「そのことがのう」
「お見事じゃな」
「実に」
安藤に稲葉と氏家、不破が応えた。美濃四人衆も第三陣にいるのだ。
その中でだ、安藤は言うのだった。
「そうじゃ。ああしてくればな」
「魔界衆は必ずな」
「上様を狙って来る」
「そしてそこでじゃな」
「手を打たれる」
確実にとだ、安藤は笑みを浮かべて言った。
「間違いなくな」
「そこじゃな」
「そこで上様はまた動かれる」
「それからじゃな」
「いよいよ本格的にな」
それこそというのだ。
「あの者達との戦じゃ」
「そうじゃ、魔界衆とのな」
「次の戦でじゃ」
「決めることになるな」
「そうなるな」
「それでじゃが」
ここで稲葉が安藤に言った。
「御主一度暇を出されたな」
「あの時の話か」
「それで美濃を色々探っておったな」
「それで魔界衆の者達を探しておったが」
「何か見付かったか」
その美濃においてというのだ。
「それはどうであった」
「いや、美濃では都や奈良よりはな」
「見付からなかったか」
「飛騨にあった」
その国にというのだ。
「そうした話はな」
「おお、そういえば飛騨にもそうした話があったな」
ここで言ったのは氏家だった。
「まつろわぬ者の話がな」
「両面宿儺がおったな」
「あの顔が二つあるな」
「あれの話じゃ」
「あれがか」
「実はあの両面宿儺はな」
古の話にあるこの異形の者はというのだ。
「あの地におった者で」
「朝廷と戦ったのじゃな」
「それで両面宿儺と呼ばれた者は降ってそれで終わったが」
「しかしか」
「裏に話があってな」
「その話がじゃな」
「魔界衆の者達だったのじゃ」
そうだったというのだ。
「その者達がおってな」
「それで両面宿儺の話が終わってもか」
不破も目を鋭くさせて言った。
「魔界衆との戦があったか」
「そして激しい戦がありな」
古事記にも日本書紀にも書かれていないそれがというのだ。
「そしてそのうえでじゃ」
「飛騨は完全に本朝に入ったか」
「そうなったのじゃ、そしてな」
安藤はさらに話した。
「どうやら飛騨者達がおるのはな」
「果心居士殿がか」
「飛騨がそうした地であることを承知でか」
「自身もおら
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