第29話天使と御対面
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犯罪防止コード》、あれには《ハラスメントコード》という別の呼び名もあって、痴漢などのワイセツ行為を働いた男性プレイヤーに「いい加減放さないと監獄に送るぞ」というような警告を出すシステムだ。それはNPCの女性にも同じ事が出来る。キリトがユイちゃんを抱き上げた時にそれが出なかったし、何かのクエスト開始イベントでもないらしい。もしそうだったらクエストログウインドウが更新されるはず。よってNPCという線は消えた。
「それでユイはプレイヤーで、あそこで道に迷っていたって考えていたんだ。事情は解らないけど、ユイの親とか保護者がいると思ってる」
「あのユイちゃんっていう子と出会った経緯は解った。あと一つだけ気になるのは・・・」
キリトの話を聞いてなおさら疑問に思う事がある。それはーーー
「何でキリトとアスナさんがパパママなんだ?」
「そうだよね?あくまでキリトくんの推測だろうけど、保護者がいるんなら二人を親だとは・・・」
ユイちゃんが二人が保護したならパパママと呼ぶには少し無理があると思う。せめてお兄ちゃんお姉ちゃん呼びなら納得がいく。未来も保護者が存分するのなら二人を親と認識しないはずだと言っている。
「・・・名前以外の記憶がないんだよ。ユイには」
「え?」
「名前以外何も覚えてないの?」
記憶喪失ーーー精神的ショックや物理的衝撃などの影響で全てのーーーあるいは断片的な記憶が消える障害の事だ。治療法は精神的ショックが原因だった場合はその人物が所持していた物、または思い入れのあった物をみせるかーーー物理的衝撃が原因だった場合は同じくらいの衝撃を与えるか。記憶を戻すとしても物理的衝撃の治療法は使いたくないな。あんな幼い子供を泣かすような真似はしたくねぇ。
それにしても、記憶がないからキリトとアスナさんを自分の両親と認識しているのか。もしユイちゃんに保護者がいるのだとしたらーーーその人も可哀想だな。
「それに記憶だけじゃないみたいなんだ。上手く舌が回らなかったり、精神年齢も・・・」
「肉体年齢より遥かに幼かったな。パッと見だったけど何だかまるで・・・」
「赤ちゃんみたいだったね・・・」
目を覚まして自己紹介で名前を言ったらキリトの事を「キト」と、アスナさんの事を「アウナ」と言っていたため、言語障害が発覚したらしい。それで言いやすい呼び方で構わないと言ったらキリトがパパに、アスナさんがママになったという訳になる。
精神年齢の件が発覚したのは朝食の時。キリトの食べていたのと同じ辛口サンドが食べたいとねだったらしい。
「ユイちゃん辛党なんだな・・・」
「味覚は子供舌のお兄ちゃんより大人だね」
「味覚には関してお前に言われたくねぇよポイズンクッキング」
「可愛い妹の手料理が
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