レベル2 おじゃま、します
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「曲者!?」
「私の部屋がー!」
2人が動転している間にも事態は進んでいく。
「覚悟ぉ!!」
「へっ!?」
ガキィィィィン!
後ろを向くと、夢値と見知らぬ少女が遊戯王カードで鍔迫り合いをしていた。
「え、ちょっ、」
カードが悪くなるって!と言うのも呑気な、異様で切迫した空気。
よく見ると、2人の遊戯王カードは、それを包むように白い光が広がっていて、その光をぶつけあっているようだ。
キィン
「ぎゃぷっ」
樢は後ろに飛び退いた夢値に思い切り衝突したが、夢値はそれに反応せず目の前の少女と対峙している。
少女は以前現れたハンターより若そうに見えた。テーマパークみたいな忍装束に身を包んで、夢値をジッと睨んでいる。
「いや待って、さっきの光何!?なんでカードから光が出てくるの!? 」
「なかなかやるでござるな。しかし、これなら……」
今時の忍者はその口調なのだろうかなどとふと下らないことを考えていると、少女が扇を広げるように手を開くと、手品のように指の間に遊戯王カードが挟まっていた。
「剣1本では防げまい!」
少女はスナップを利かせながらそれらを一気に投擲した。
「……」
夢値はカードを右手に持ちかえると、左手でポケットのデッキらしきカードの束を引き抜いた。
ギギギギギギ
カードの束から広がる大きな光が、少女の投げたカード全部を盾のように押しとどめる。
「何!?」
「この位では……」
夢値はカードの束を振るった。
「傷1つ付けられませんよ」
跳ね返されたカード達は散り散りになって樢の部屋の壁にそれぞれ飛散した。
「私の部屋が傷ついてるじゃない!」
「……ふふふ、くふふふ」
少女は暗い目つきで笑うと、カードを構え直した。
「その余裕が、いつまで続くでござるかな……?」
「どうでしょう?当分大丈夫だと思います」
ガカガガカガカガガカガカ
2人の攻防は熾烈を極めた。少女が無尽蔵に飛ばすカードを夢値は確実に跳ね返していっている。
「ちょ、2人共、暴れるなら外でやっ……てギャー!ラツジュンのポスターがーぁ!」
それから暫くして、少女が動きを止めた。樢の雑多な部屋に無数の爪痕を残した戦いが、一旦止むことになった。
「成る程。ただの大口というわけではなさそうでござるな」
「そちらも、なかなかですよ」
2人共、疲労の色を見せながらも顔は笑っている。
「かくなる上は……」
少女が右手に持っていた数枚のカードを仕舞った。
「普通に決闘するでござるな」
「いいですよ」
「最初からやってくれない!?」
「先攻を頂きます。通常魔法、《吸光融合》を発動。デッキから……《ジェムナイト・フュージョン》を手札に加えます」
吸光融合
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