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機動戦士ガンダム0091宇宙の念
宇宙編
月決戦編
第31話 バイオリズム

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「もう戦うことなんかないでしょ?そんな機体で…投降して??」
「隊長は、私にここを頼むと言った。だから退けないのよ??」
互いに放った光線がザクIIIの肩を、レギーナの腰部を掠め、二機の距離が縮まる。
「うぁぁあ??」
「はぁああ??」
片腕のレギーナに対し、咄嗟に手にしたサーベルで切り上げる二機。
iフィールドの干渉する青白い光が何度も映り、その都度二人は歯を食いしばり、体を強張らせる。
想いと想い。
魂と魂のぶつかり合いを重ね、二人のバイオリズムがシンクロしていく。
「何?何なの、この感じ…」
「引き合っている…心地の良い気分。何故?」
サイコミュが増幅した二人の念が、宇宙を駆ける光となって二機の間を照らしていく。
「はぁ…はぁ」
淡い光を抱いた二機が飛び、刃を交え、互いの肉を抉る。
「メインバーニアのうち2つ停止…カメラも半壊か…」
満身創痍のレギーナのコックピットに収まるナナもまた、傷だらけで疲弊しつつあった。
「そろそろ…決める!」
突く様にサーベルを前に構え、スラスターを全開にして踏み込むザクIII改。
「くっ…!気圧された??」
逆に、両肩部に装備した二つのバーニアを噴射し、上半身を逸らすレギーナ。
「まだぁ??」
サーベルの柄を逆手に持ち替え、レギーナに光刃を押し付ける。
間一髪、転ぶ様な姿勢だったため、急所やコックピットではなく、右大腿部を切断されたが、姿勢は大きく崩れた。
「まずいっ??」
姿勢制御バーニアを噴射し、なんとか立ち直り斬り結ぶ。
再び刃を交え、今度はレギーナがザクを後方へと退ける。
「出力が違うの、私のレギーナは??」
「まだ…やるのなら!」
iフィールドを解き、解放された光軸がアイラへと迫る。
「??」
ビーム光が肩を貫き、追い打ちをかけるレギーナに、あえて突っ込み肉薄するアイラ。
「この距離なら…!」
ザクIII改のフロントアーマーが前を向く。
放たれたビームはそれぞれレギーナのコックピットから捻じ曲げられたかの様な軌道で、両肩部を消し飛ばした。
「馬鹿な??コックピット直撃の弾が、まるで押し退けられた様に捻じ曲がった??」
「まだ…死ねない…」
既に大破し、戦闘能力は残されていないレギーナを見て、アイラは微かな恐怖感を覚えた。
「意志の力だというの…?サイコミュに増幅された人の意志??」

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