機動戦艦ナデシコ
1290話
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のは魚介系醤油スープの香り。
ラーメンって材料的にそんなに高価な食材は使わないけど、その分色んな材料を使うから、ナデシコみたいな戦艦の食堂では色々と難しいメニューな気がするんだけどな。
あ、でもスープとかを前もって大量に作って冷凍しておくとか? ……自分の仕事にこだわりを持っているホウメイがそんな真似をするとはちょっと思えないが。
個人的には醤油ラーメンよりも味噌ラーメンとか豚骨ラーメンの方が好きだったりする。ジャージャー麺とか汁なし担々麺のような油そば系等も好きだし、冷やし中華も捨てがたい。……冷やし中華って実は日本で生まれた料理なんだよな。
少し変わり種として、以前円が作ってくれたスープカレーを使ったカレーラーメンも結構美味かった。
「美味しいです」
半熟の煮卵やメンマ、チャーシュー、刻みネギ。……うん、確かにルリの言う通り美味そうだ。
というか、こうして見ていたら俺もラーメンが食いたくなってきた。
「テンカワ、俺にもラーメン。味は味噌で。今食券買ってくるから」
「待った、アクセル」
「……うん?」
早速食券を買いに行こうとした俺に、テンカワが待ったを掛ける。
「どうしたんだ?」
「もし良ければさ、俺が作ったラーメンを食べてくれないか? それなら試食って事だし、無料でいいから」
「テンカワの?」
一瞬迷う。
確かに無料でラーメンを食べる事が出来るってのは嬉しいが、テンカワの料理人としての腕がどれくらいの物なのか分からない為だ。
ホウメイの弟子的な扱いなので、当然ホウメイよりは下だろう。
フライドポテトを食べた限りだと、そんなに腕は悪くないように思える。
だが、それでも……うーん……
迷ったのは数秒。
やがて意を決して俺はテンカワに頷く。
「分かった、頼む」
「あいよ。ちょっと待っててくれ」
そう言いながら厨房へと戻っていくテンカワ。
「物好きですね。普通に頼めば美味しい料理を食べられるのに」
スープを飲みながらそう告げるルリに、小さく肩を竦める。
「折角食べさせてくれるって言うんだし、いいだろ? 俺の意見で多少なりともテンカワの腕が上がれば、この先ナデシコの食堂の忙しさも少しは緩和されるだろうし」
そう言うと、ルリはそれ以上何も言わずにラーメンへと集中する。
そして10分もしないうちにテンカワが味噌ラーメンを持ってきて……俺の口から60点という数字が出るのは、そう遠くない未来だった。
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