機動戦艦ナデシコ
1290話
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にも不味いのは何個かあったけど。
話の種になるには事欠かない店ではある。
「じゃあ、ちょっと食べてみるか」
改めてフライドポテトを手に取り、口の中へと運ぶ。
外はカリッと揚げられており、中はホクホクなジャガイモの食感。
味付けはシンプルに塩だけだが、それは以前食べたファーストフード店でも同じだった。
「うん、美味い。美味いんだけど……あの店には及ばないな」
「そっかぁ……うん? アクセルもその店で食べた事があるのか?」
「ああ、ハルカやルリと一緒にサツキミドリ2号の観光に行った時にな」
「……ふーん。エリナさんは置いてか」
そう呟くテンカワの視線は若干据わっているように見える。
まぁ、エリナに好意を抱いているテンカワだ。今の俺とエリナのギクシャクした関係を見れば、何か勘ぐってもおかしくはない。
しかもその勘ぐりが間違っていないのだから、俺の口から言い訳する事も出来なかった。
「ハルカやルリと出掛けるのは前もって約束してたからな。そっちを優先するのは当然だろ? ルリも結構楽しんでたみたいだし。……だよな?」
テンカワと話している途中で尋ねたのは、丁度食券を手にしてこっちに近づいてきていたルリだった。
ハルカの教育のおかげか、ファーストフードだけじゃなくてきちんと食堂で料理を食べるようになっているんだな。
「あ、ルリちゃん。今日は何を食べるの?」
テンカワも、ルリの前でエリナに関して俺と言い争いたくはなかったらしく、話を変えるべくルリの方へと話し掛ける。
「今日は醤油ラーメンです」
「えっと、また今日もラーメンなの? ラーメンの種類は違うみたいだけど」
「いつも同じラーメンばかりでは何なので。ラーメン以外にも蕎麦、パスタ、素麺といったものもあるみたいなので、暫くはメニューに困りませんね」
「いやいや、麺類以外の物も食べようよ。……ともあれ、今日は醤油ラーメンだね」
「はい。……アクセルさん、一緒に座ってもいいですか?」
「うん? まぁ、俺は構わないが」
初対面の時にあった、ルリの俺に対する嫌悪感は完全に払拭された……という訳ではないのだろう。
今もこうして俺を見る目には、どことなく敵意のようなものが見え隠れしているような気がするし。
それでいながら、完全に嫌っている訳ではないというのも事実だ。
何と言うか、嫌いながら好意を抱いている?
もっとも、それでもやっぱり好意の方が少ないのは事実だが。
「ああ、そうだ。ルリもこのフライドポテトを食ってみてくれ。以前にハルカと一緒に行った店のフライドポテトを超えるという目的で作られたらしいぞ」
「……ああ、あの時の。では、少しだけいただきます」
そう告げ、ルリはフライドポテトへと手を伸
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