機動戦艦ナデシコ
1290話
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知り合いが死んでしまった人物にとっては最悪の状況だと言ってもいいだろうが、それでもサツキミドリ2号が崩壊するよりはマシなのだろう。
今頃サツキミドリ2号では葬式とかで色々と忙しくなっていたりするんだろうな。
明るい表情を浮かべている者の数も多い。
今俺と話していた男も、その辺は同様らしい。
暗い表情を浮かべてはいなかった。……まぁ、明るい表情を浮かべていた訳でもなかったが。
「さて、じゃあ次だな。……もう少しいい物があればいいんだが」
単純に物を運ぶという意味では、やはりエステバリスよりも3倍近い大きさのミロンガ改の方が有利だ。
だからこそ、ナデシコの方でもこっちに期待をしているんだろうけど。
宇宙空間で何かないのかを探していると、こっちに向かって移動してくるコンテナを発見する。
へぇ、コンテナか。これは当たりだな。
そう考え、再びナデシコの方へと通信を送るのだった。
「あー……労働の後の一杯は美味いな」
そう告げ、コップに注がれた飲み物を口へと運ぶ。
勿論これは冷たいウーロン茶であり、アルコールの類ではない。
俺がアルコールを飲めばどうなるのかは自分自身で一番よく分かっているんだから、それを繰り返すような真似をしないのは当然だろう。
宇宙空間に漂っていたサツキミドリ2号のパーツやらコンテナやらを運び込む仕事を終えた俺は、当然のようにナデシコ食堂へとやってきていた。
「随分と疲れてるみたいだな。ほら、これ。奢り」
テンカワが近くへとやって来ると、フライドポテトを俺の目の前に置く。
「……何でフライドポテト? いや、ありがたいけど」
もしかして、テンカワは俺が飲んでるのがビールに見えたのか? そう考えれば、フライドポテトを持ってきたのにも何となく理由が分かる。
だが、テンカワは難しい表情を浮かべて言葉を続ける。
「いや、実は味見して欲しくて。何でもサツキミドリ2号には物凄くフライドポテトが美味いハンバーガー屋があるらしいんだよ。……肝心のハンバーガーはいまいちだって話だけど」
どことなく覚えのある話に、フライドポテトへと伸ばした手を止める。
「その話、誰から聞いたんだ?」
もしかしてハルカかルリか? そう思った俺の疑問だったが、テンカワは視線を食堂の中にある一画へ向けた。
その視線を追うと、そこでは整備員の男達が何やら食べながら話をしているのが分かる。
へぇ、俺達以外にもあそこに行った奴がいたんだな。
もしかして、あのファーストフード店はそれなりに有名な店なのか?
確かに本来ならメインである筈のハンバーガーが不味いのに、フライドメニューを始めとするサイドメニューは美味い店だ。……まぁ、サイドメニュー
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