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魔法少女リリカルなのはINNOCENT ブレイブバトル
DUEL14 紅の鋼狼
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「このお!!」

刀を横薙ぎに振るうが、左腕の刀で受け止められ、左肩に相手の拳が入る。

「がっ!!」

鈍い痛みが左肩に広がる。思わず後ずさるが、相手の追撃は止まらない。

「あぐっ!?」

回し蹴りが腰に入り、地面に倒れる。

「あああああああああああああああ!!!」

倒れた俺の左肩を踏みつけ、何度も何度も足を上げて踏みつける。
思わず叫び声を上げるが、相手の攻撃は止む気配は無い。

「お前さえ、お前さえいなければ!!」

そう怒りをぶつける相手に為すすべなくされるがままだった。

「死ね!!死ね!!」

顔を蹴られ、腹を踏まれ、脇腹を蹴られ………

(くそっ………意識が………)

全身に痛みが発し、身体が重い。
だが、いつもの戦いに負けた時のだるさでは無い。まるで自分の身体から離れていく様な感覚だった。

(これが死………なのか?)

体験した事の無い感覚に思わずそんな答えが浮かぶ。

「死ね!!死ね!!」

動かなくなっていく俺に対して相手は一切攻撃を緩めない。まるで今までの恨みをぶつける様に何度も何度も攻撃を繰り返す。

(コイツは………一体何の為にこんなに苦しそうな顔をしてるんだ………?)

全く知らない相手。しかし唯一知っている名前を良く口走る。

(加奈………?何で俺の妹の名前を………?それに妹………?そして何で俺をそんなに………)

さんざん痛めつけてもやはり攻撃を止めない。

(また………俺から家族を奪うのか………?)

ふとそんな考えが零治の頭の中に浮かんだ。
そして思い出すのは葬式後に自分の意見を聞かず連れていかれる泣いて俺を呼ぶ妹の姿。

(ふざけるな………俺は、また、何も出来ないまま加奈を………ふざけるな、ふざけるな!!!)

その瞬間、自分の中にあるナニカが破裂した様な感覚を感じた。

「死ね、死………なっ………?」

蹴り続け、反応の無い零治に不意に足を掴まれた。

「うおっ!?」

そのまま足を払われ、バランスを崩して倒れ込む。

「一体何が…………がっ!?」

身体を起こした瞬間、強烈な蹴りが顔に入り、再び倒れ込む。

「くそっ、このおお!!!」

直ぐに立ち上がり、零治に向かって殴りかかる。

「………」
「!?」

しかしその拳は見事なカウンターの前に空振り、膝から地面に倒れ込んだ。

「………」
「くっ、くそっ………!!」

何とか立ち上がり、剣を振って、零治を下がらせる。

「一体何が………!?」

そう呟きながら零治を見て驚いた。

「何だ………お前は………?」

瞳孔に光は無く、無表情でその場に立つ零治。何も語らず、戦っている相手を
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