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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第499話】
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うん、そう言ってくれると気持ちが軽くなるよ、ヒルト」


 偽りはなかった、ヒルトの掛ける言葉一つで軽くなっていく――不思議な気持ちだった、それに伴ってかまた鼓動が高鳴る。

 だが、学園行きの終電も迫っていたので未来はヒルトに言った。


「ヒルト、学園に戻ろう?」

「……だな、無断外泊は織斑先生の特別コースを受けなきゃいけないらしいしな」


 苦笑を溢しつつ、ヒルトと未来はベンチから離れて一路駅へと向かう。

 未来自身、実は外泊届けを出していたというのはヒルトには黙ったまま着いていった。

 終電までには全然間に合い、ヒルト達はモノレールに乗り込むと席に座った、学園行きの為かお客はヒルト達を除いて誰もいなかった。

 二人きり……改めてそう思うとまたヒルトを意識してしまう、学園でも二人っきりになれる機会も少ない、周りが女子というのもあるのだが、徐々にだがヒルトに対して明確な好意を持つ女性が現れてるからだ。

 モノレールが動き出す、無意識にヒルトの手を握る未来に、ヒルトは一瞬驚いたものの振りほどく事はなかった。


「未来、どうしたんだ?」

「……二人っきりだなって、思ってね」

「……そっか、確かに……俺達しかいないもんな」


 ヒルトはそう言うと、僅かに顔を赤らめる。

 心地好い時間が流れる、学園までは直ぐだというのに未来にとってはずっとこのまま続けばという欲も出てきた。

 だが無情にも駅に到着するモノレール、手は繋いだまま二人はモノレールを降りて寮へと歩みを進めた。

 寮まではそれほど長い距離ではなく、そろそろヒルトと離れる――そう思うと、未来はまだヒルトを独り占めしたくなった。


「……ヒルト」

「ん? どうした?」

「……もう少しだけ、一緒に居たい……」


 未来はそう言って身を委ね、ヒルトの制服の裾を掴んだ。

 未来のそんな言葉に驚くヒルトだが――。


「ん、わかった。 ……じゃあ俺の部屋で少し話してから解散しようか?」

「ヒルトの、部屋……」


 不思議と胸が高鳴る、無論これまでも何度も訪れたヒルトの部屋だが、未来の気持ちとしては何かあるのではという淡い想いが駆け巡る。

 未来自身も年頃の女性で性への興味もある、だがやはり交際を経てからそういう事になるんだという考えもあったのだが、以前モデルをしたその日にヒルトに身体を触られてからは、もっとヒルトに触れてもらいたいという想いが日に日に高まっていくのを感じていた。

 そんな期待通りにはいかないかもしれない――だけど、未来は否定せず、小さく頷いた。


「じゃあ決まりだな、それじゃあ俺の部屋で話しよう」

「ぅ、ぅん」



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