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3部分:第三章
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けだね」
「そういうことだ。じゃあその時を心から楽しみにしているな」
「僕もね」
 小坂はまだ食べていた。その中での話だった。話をしながら食べ店を後にする。この時阪急はまだほんの弱小球団に過ぎなかった。しかしそれから僅か四年後の昭和四十二年。事件が起こった。
「やった・・・・・・」
 本田は泣いていた。目の前の光景を見て。
 阪急ブレーブスが見事初優勝を果たしたのだ。西本の身体が宙に舞う。彼はそれを見つつ泣いていた。泣いているのは彼だけではなかった。
「ホンマや、ホンマに勝ったんや」
「西本さん、やってくれたで」
 ファン達も泣いていた。そして小林オーナーも。彼は涙をボロボロと零しながらネット越しに西本と握手をしていた。まさに感動の場面だった。
 その感動の中に本田もいたのだ。彼もまた号泣していた。そしてその号泣をそのまま。己の記事に書きその喜びと感動を伝えたのだ。

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