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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第十一話 脆い心、幼い心
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雪鳴自身、幼いながらも自覚はあっただろうけど、父が有名にして最強の剣士だった手前、弱音を素直に吐けなかった上に諦めきれなかったのだろう。
だけど俺の眼で雪鳴の筋肉を見たとき、彼女の身体がボロボロなのに気づいたから止めた。
向いていないことに筋肉を使っているものだから、壊れかけてたんだ。
雪鳴の父も気づいていたし、雪鳴に注意を促していたらしいけど、頑固者の雪鳴に断られたそうだ。
「俺も父さんに憧れて武者修行をしてた身だから、気になって仕方なかった。 だから、彼女に別の道を選択させて、何とか今がある」
「別の道?」
「剣術にも色々流派、武器の種類があるからな。 細身の彼女に合う武器と戦術を身に付ける方向性に変えたんだよ」
流石に俺も未熟だったから、図書館でたくさんの本と睨めっこしたけどと、俺は苦笑混じりに言う。
4歳が読める漢字なんてたかがしれてるから、アマネにも助けてもらった。
そうして俺の修行、雪鳴の修行と両方をこなしてきた。
雪鳴の妹である柚那と出会ったのも、雪鳴の修行を手伝う中でだったのは、本当に懐かしい。
気づけば三人で修行して、遊んで、笑いあった。
「年末年始、早めの帰省をするまでの半年間は楽しかった。 二人は優しかったし、甘えん坊だけど世話のし甲斐があってさ」
「黒鐘……そういうの、好きそう」
「ああやっぱり、そう見える?」
「うん」
納得したようにフェイトは頷く。
そうか、今の俺がお節介だったりフェイトの世話を楽しめそうだと思うのは、雪鳴たちのおかげか。
俺もまた納得したように笑みをこぼす。
「……実家に帰るとさ、両親と姉さんが待ってたんだ。 姉さんは抱きついてきて、父さんと母さんは夕飯を用意して」
姉さんは昔っから年上なのに甘えん坊で、俺が面倒を見てるような気分だった。
父さんも母さんも、俺のほうがお兄ちゃんみたいだなんて笑って言ってた。
だけど姉さんはすごく頭が良くて、それこそ遊び半分でデバイスを作ってしまうほどに。
俺が4歳の誕生日、姉さんから貰ったのがアマネだったのも今では懐かしい。
「え……黒鐘のお姉さんって、何歳だったの?」
「10歳。 5歳も離れてるものだから、どっちかは連れ子なんじゃないかって疑われたこともあるよ」
「10歳でデバイスを作った人……」
「天才だったよ、姉さんは」
当時、どれほどの大人が驚いただろうかなんて、もう覚えてない。
姉さんの名前は、五年前であれば誰もが知っていたってほどに有名だった。
今もデバイスを作る人たちからすれば有名なんじゃないかな。
そんな天才な姉さんは、魔導師としても
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