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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第十一話 脆い心、幼い心
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にでもない言い訳を心の中ですると、彼はこちらを振り向き、
「……そう、だな。 ちょっと、聴いてくれるかな?」
意外とあっさり、彼は話してくれることになった。
その笑顔はまだぎこちないけど、さっきよりはマシになっているようなする。
*****
「……気づけばもう、五年も前の出来事になるんだけどさ」
ガラステーブルに対面になる形で座り、紅茶も何も入れずに俺はしゃべりだした。
自分でも驚く程あっさりと、隠すことなくスラスラと語りだしたのは、それだけ俺の心が追い詰められていたから……なんだと思う。
彼女は……フェイトは無言で、真剣な眼差しで俺の話しを聞いてくれるのが、どこか嬉しかった。
「俺、父さんに憧れててさ。 有名な魔導師で、かなりの実力者だったんだ。 そんな父さんに追いつきたくて、デバイスを貰った4歳の頃に武者修行を始めたんだ」
とは言え、当時は父さんの親戚だった魔導師の下でお世話になった次いでにって感じだった。
本格的な武者修行の最初は、雪鳴と出会った逢沢家の道場だ。
「雪鳴と出会ったのは、大人に混ざって木刀を振り回してた……いや、木刀に振り回されてた細身の女の子がいるから気になって声をかけたんだ」
あの道場で唯一の同年代だったから、安心感が欲しかったのかもしれない。
自分よりふた回りも大きい男性、女性の人たちに混ざる中にあった疎外感や孤独感を、雪鳴に声をかけることで消していたんだって、今なら思う。
「で、俺ってその頃からすでに見切る眼を持ってたから、スランプ気味だった雪鳴の面倒をみてたんだ」
我ながら話題からそれ出していると自覚しつつも、話せずにはいられなかった。
あの頃の出来事を一つ一つ、余すことなく。
「フェイトも雪鳴の身体、かなり細いと思っただろ?」
「うん。 木刀が似合わないって思った」
戦う者同士、見た目だけでその人がどんな武器を使うかイメージができる。
もちろんイメージだから、それを覆されることはよくあるし、むしろ相手の裏をかくために……なんてパターンは多い。
だけど雪鳴は、こう言っては失礼だけど剣士には向いてない。
それは才能云々以前の問題。
体つきが、どうしても『振る』と言う動作に向いていないんだ。
剣や刀など、刃物系の武器はどうしても振ると言う動作が必要な武器だ。
そして素材的にどうしても重いものになるが故に、それを持つための腕、安定した振りを出すための足腰などはしっかりと鍛えて筋肉をつけないといけない。
そういう意味で雪鳴の身体は、あまりにも細かった。
長時間、木刀を持つほど腕力がなく、振った際に踏ん張れる足腰の筋肉もない。
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