第四十九話 井上中尉!和歌山でファミコン勝負!!その三
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「ではこの度はでごわす」
「はい、陸軍衆ですね」
「我々の番ですね」
「今回はファミコンでごわすな」
その勝負だとだ、西郷は言った。
「和歌山城においての」
「左様です」
「戦場はあの城です」
「そこで戦うは悠木大将とです」
「井上彦二郎中尉です」
「井上中尉。日帝衆きってのゲーマーごでわすな」
西郷は瞑目する様にして応えた。
「彼が出陣するでごわすか」
「左様です」
「そのことも決定しています」
「では、出陣の時は」
「悠木大将と共に」
「頼んだでごわす、そして大将」
西郷はあらためて瞬にも声をかけた。
「共にでごわす」
「わかりました」
瞬は西郷に落ち着いた声で応えた。
「それでは」
「その様にお願いするでごわす」
「そしてですが」
ここでまた言った瞬だった。
「ファミコンですか」
「そうでごわすが」
「それはまたです」
「古風でごわすな」
「はい、実は私もファミコンは」
「プレイステーション世代でごわすな」
「そうです」
そしてネットゲームに携帯ゲームの世代である、瞬は。
「ファミコンはしたことはありません」
「そうでごわすか」
「ですが」
「それでもでごわすな」
「プレイさせて頂きます」
「おいどんの趣味は読書、学問、音楽鑑賞、座禅、鍛錬でごわす」
実に日帝衆らしい趣味である。
「特に剣術と柔術が好きでごわすが」
「ゲームはですか」
「娯楽には縁がないでごわす」
「しかしですね」
「それは否定しもさん」
それが西郷の考えなのだ。
「娯楽は文化でごわす」
「はい、娯楽がないならばです」
「文化は育ちません」
大山と桂も応えた。
「余裕があるからこそ娯楽が生まれ」
「娯楽もまた文化を育てます」
「それは本朝とて同じ」
「娯楽を否定しても何もなりません」
「その通りでごわす」
西郷は二人の言葉にも頷いて返した。
「まさに娯楽はでごわす」
「文化を育てるもの」
「世を豊かにもします」
「だから否定しもさん」
ファミコンにしてもというのだ。
「むしろギャンブルより遥かにいいでごわす」
「ですね、では」
「今回はそのファミコン勝負ですね」
「漫画の様な」
「かつてのコロコロやボンボンにあった」
コロコロコミック、そしてコミックボンボンである。コミックボンボンの休刊は日本の漫画文化における損失であった。
「ファミコンロッキー、ファミコンチャンプ」
「そしてファミ魂風雲児、ファミ拳リュウ」
「そうした漫画の様なですね」
「勝負を行うのですね」
「ファミコン風雲児だったかも知れないでごわすな」
コミックボンボンの名作だ、尚先の二作がコロコロの作品であり後の二作がボンボンの作品であった。今はもう昔
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