暁 〜小説投稿サイト〜
逆さの砂時計
Side Story
少女怪盗と仮面の神父 7
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
霞同然です。であればこそ、親友達の存在は何よりも誇らしく……愛おしい」
 空気が固まった。
 親友が女で、愛おしいと形容されたからか。
 もしや既に女の影が……と、僅かに滲む沈黙。
 ミートリッテだけが眉を寄せて「ん?」と小さく喉を鳴らした。
 (愛しいじゃなくて、わざわざ愛おしいって強調した? 「愛おしい」ねぇ……可愛いとか愛情を示す他に、可哀想とか不憫とか同情的な意味もあったような。考え過ぎ?)
 一音下げた言葉がやけに気になって、思わず神父に顔を向けてしまった。
 「!?」
 後悔先に立たず。
 アーレストと目が合ってしまった。
 筋違える勢いで首を逸らし、跳ねた心音を呼吸で宥める。
 (なに、あれ)
 「私も惚けてはいられません。ご指導、よろしくお願いしますね」
 「こちらこそ……」

 ……何故……女衆は盛り返せたんだ?
 神父は今、泣きそうな悲しい顔で笑っていたのに。


[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ