第47話 甘美
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近藤は不思議に思っていた。
天草四朗に預けられはしたが、女を戦が続くこの逃亡に連れていくわけにもいかず、その場に置いて行ったのにも関わらず、呆けた様子で後からついてきたのだった。
かと言って、戦が始まれといずこへと消え失せ、終われば現れる。
まるで、狐にでも化かされている気持ちだった。が、天草が言うには、近藤の妻の遠い親戚にあたる女だという話だった。
確かにどことなく、似てはいるような気もしないでもない。
自分の妻・つねは、ごくごく普通などこにでもいる女性だった。
近藤自ら「美人ではないから、選んだ」と言う程である。が、後をついてくる女は、どちらかというと駒野ににている。
駒野は京の三本木という花街にいた芸鼓だった。近藤が愛した女性の一人だった。が、呆けてはいるが、何故か近藤自身にもわからないが、つねに似ていると思われてならないのだ。
そして、近藤はすでに疲れ果ててもいた。
度重なる戦闘、死んで行く仲間達。仲間の脱走。
近藤もまた、幾度となく白旗をあげ降伏しようかと思う程追い詰められたこともあった。が、自分を信じてついて来てくれる仲間達がいると思うと、それは出来なかった。
(トシよ)
近藤は幾度となく夜になると隊を離れ、夜空を見上げ、土方を思っていた。
「勇様」
女が木の影から現れた。
「なんだ、まだいたのか?不思議な女よ」
近藤はニコリと微笑んだ。その笑みにはどことなく力がない。
「勇様」
女はゆっくりと近藤へと歩を進めたが、どこかにけつまずいたのかよろけて倒れそうになった。
「危ない!!」
近藤は女を抱き寄せた。女は近藤に甘えるかのように頬を近藤の胸に当てた。と、同時に近藤の気持ちがはじけた。
女に接吻し、胸を揉みしごいた。
女は歓喜の声をあげ、近藤の唇を吸い、舌を絡ませた。地面が土であってもかわなかった。
近藤は上になり下になり女を心行くまで抱いた。いきり立った近藤の男根を女の秘部に突き刺し、腰を動かし、何度も果てた。
(生きたい、自分が思うままに)
近藤は心の中で叫んだ。
近藤は戦がない夜に女と会い、幾度となく抱いた。
熱い迸りが女の中へと入っていくたびに生きたいと願った。が、戦果は散々な物だった。
「なぁ、行く度、おぬしを抱いた事だろう?」
近藤は夜空を見上げ、女を抱きながらつぶやいた。
女は近藤の横顔をうるんだ瞳で何も言わずに見つめていた。
「このままおぬしとどこかに行ってしまってもよいと思い始めてしまう」
その言葉に女はぴくんと反応した。
「いやか?」
近藤はその反応を見逃さなかった。
女は何も言わず近藤を見つめているだけだった。その時、生暖かい風を感じた。
「近藤殿」
あの真っ赤な唇をした色白の男が夜の闇から現
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