5話
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「……ありがとう、みゆき」
場の雰囲気をかき消すように、みゆきは元気良く笑みを浮かべながら、決意を露わにする。その顔は見る人をも元気にさせるような、そんな笑顔だった。
「!?みゆき、キャンディーを隠せ」
「え?何で?」
今後の事で話をしていると、急に悟飯が焦った様子でキャンディーを隠すように指示する。
「育代さんがこっちに来る」
「!キャンディー、クローゼットの中に入って!」
悟飯はみゆきのお母さんの気がこちらに向かっている事に気付いた。みゆきは悟飯の言葉を受け、慌ててキャンディーを隠す。
それから数秒後、コンコンと部屋の扉をノックする音が聞こえ、声がかかる。
「みゆき、入るわよ?」
「う、うん。良いよ、お母さん」
みゆきの了承を得て、育代は部屋に入る。
「どうしたの?お母さん」
「夕飯の準備ができたから、呼ぶに来たのよ。良かったら、悟飯君もどうかしら?」
「え?俺もですか?」
育代の言葉に悟飯は驚くが、みゆきは笑顔で賛同する。
「そうしようよ?悟飯君!ごはんはみんなで食べたほうがウルトラハッピーだよ!」
「そうよ、悟飯君。それに、悟飯君も食べると思って多めに作ってしまったもの。私とみゆきだけじゃ食べきれないわ」
「それに、お母さんの料理はとっても美味しいんだよ!」
「……とっても美味しい」
そう呟くと、グゥ〜っと悟飯のお腹の虫が鳴った。
「!?あっ……」
「あらあら、うふふ」
「悟飯君、お腹空いてるなら遠慮する事無いよ!」
育代は頬に右手を当て笑みを浮かべ、みゆきはもはや決定事項の如く、悟飯を背中を押しながら居間へと連れて行く。連れて行かれる際の悟飯の顔は羞恥に染まっていた
「……すごい」
居間についた悟飯が見たものは、所狭しと並べられた色とりどりの料理だった。しかも、一皿一皿の量が多い。明らかに作りすぎである。
先程、みんなで一緒に悟飯を食べられると、喜んでいたみゆきの笑みも、引きつった笑みに変わっている。
「ごめんね。作り過ぎちゃったの」
引っ越しして学校も変わってしまい、新しい土地でみゆきに友達が出来るか不安だった育代は、転校早々に友達(しかも男の子)が出来ていた事を喜び、悟飯に夕食をご馳走しようと、張り切って作った。というか張り切りすぎた。気がついた時には時すでに遅し、三人でも食べきれない程の量の料理が出来上がったのである。
「お母さん。この量は食べきれないよ」
「そうね。まぁ、残ったら明日の朝ご飯にすれば良いし、とにかく食べましょう、折角の料理が冷めちゃうわ」
「そうですね、頂きましょう!」
三人はテーブルを囲むように座り、手を合わせる。
「「
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