第19話 箱根へ
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「2人とも喰いつき過ぎよ。あんたら彼氏いるんだからフリーのイケメンは私達に任せなさい」
「ん〜、確かにイケメンだけど、私はあの赤い髪の子の方が好みかな〜?」
「・・・・・・・・・」
大学生のグループが、遠目から京極と士郎を見て色めきだっている。
勿論、それを至近距離で聞いていた彼氏たちは心穏やかではいられない。
「クソッ、如何して世の中はイケメンを優遇するんだよ。男は顔だけじゃねぇだろ!?」
「それはそうかもだが、同じ男である俺らが言っても空しいだけだぞ?」
彼氏たちは若干自棄になっていた。
しかし矢張りゴールデンウィークの効果か、直に気力を取り戻す。
けれど気力に満ちているのは若者たちだけとは限らない。
女性たちが騒いでいる所に、態と近くを歩いて来たガラの悪そうな3人の男性の内、1人と肩がぶつかった。
「痛ッテェええ!?」
「え?」
ぶつかった男は肩を抑える様に座り込む。
それを連れの男たちが女性たちに絡んで来る。
「オイオイ嬢ちゃん達、何所見てやがんだ?」
「おかげで連れが怪我しちまったじゃねぇか?」
「はぁ!?何よ?アンタ達がぶつかって来たんじゃない」
『そうよ、そうよ!』
しかし絡まれている女性たちはあくまでも強気だ。
勿論そんな女性たちに勢い負けする程、チンピラ崩れは気弱では無い。
「言わせておけばいい気になりやがって!来い、矯正してやる!」
「痛ッ!」
「オイッ、人の彼女に何してくれるん、ガッ!?」
彼女を助けようとした男性だが、横からもう1人の男に殴られる。
「あんま大人舐めんなよ?餓鬼共!」
「オラ、来い!」
「いや、離して!」
仲間たちの今の光景を見て、ビビる友人達。
周囲の人々も遠巻きに怖がっているだけで誰も助けようとしない―――――ある1人を除いて。
−Interlude−
パーキングエリアに着いた士郎達の内、冬馬達は早速小雪先導の下休憩所に行き、士郎と京極だけは冷蔵庫に入ってあったアイスブラックコーヒー飲みながら車の前で待っていた。
例え周りから雑音が聞こえようと、相当な事が無い限り我関せずの2人。
故に士郎が動こうとしたのは必然だった。
先程から自分達を見ていた女性達が、ガラの悪そうな男3人組に絡まれ始めた時だ。
「あんな古風ないちゃもんの付け方、まだ流行ってたのか?」
「いや、絡むにしても最近はあのやり方はてんで見なくなった筈だ。つまり絶滅危惧種だな」
「ちょっと行って来る」
士郎は自分のコーヒーを京極に預けて女性たちの方へ行く。
紳士の血が騒いだ友人の背に向けて、京極は聞こえない位の声音
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