第19話 箱根へ
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た現時点でこの世にただ一つの特注品である。
士郎は以前から雷画からの小遣いを断ってきたが、流石に特注品となると受け取らないワケにもいかないので受け取る事に成った。
「――――なるほどな」
そんな士郎は、運転しながら後方から聞こえて来る京極の理由を拾った。
本当にスカサハと会話したのは久しぶりだったので、美少女だと自他ともに認められている川神百代よりも絶世の美貌が格上のスカサハ相手に緊張したのだと語ったのだ。
士郎はそれを運転しながら聞いて納得する。
スカサハの女性としての美貌は完成している。
一緒に暮らす様になって今でこそ慣れてきているモノの、最初はスカサハの挙動のどれもに何度も見惚れてしまった事があるので、嫌でも同感出来てしまった。
因みに、当時の士郎は見惚れる度にスカサハにからかわれたが。
その為、久しぶりにスカサハの美貌に当てられて緊張するのも無理からぬことだと理解出来た。
そこで朝の京極の態度に納得できている所で、横から小雪が現れる。
「ハイ、シロ兄!ア〜〜〜ン!」
「あーん・・・・・・マシュマロは相変わらず美味しいが、楽しそうだなユキ?」
「それはそうだよー!だって、シロ兄と一緒に行けるんだもん!」
士郎は小雪と視線を合わせずに前だけ見ての会話だったが、小雪自身はその事に不満は無かった。
士郎の性格はほぼ把握しているので、大好きな兄同然を困らせるような我儘は決して捏ねないのだ。
ただそれでも士郎以外には不満があった。
不満の理由は京極だ。
小雪は京極が嫌いな訳では無いし、川神学園の先輩の中では士郎の次に仲の良い存在だ。
しかし家族同然の付き合いをしているワケでは無い。
そう言う括りで言うと、スカサハか大河のような藤村邸の親しい人の方に同行して欲しかったのだ。
勿論、事情があるのは聞いているので諦めはついているが。
閑話休題。
そこに、パーキングエリアが先にある看板が近づいた。
「パーキングエリア!」
「ん?入りたいのか?」
「うん!だって、旅行の醍醐味でしょ?」
「わかった。なら入ろう」
わーい!と喜びながら後ろに引き返していく小雪。
士郎としては、特に反対する理由も無いので小雪の望みを叶えるだけだった。
−Interlude−
神奈川県は別に変人が集う地域では無いし、耐性の強い者達ばかりでは無い。
耐性や慣れがあるのはあくまでも、川神市周辺の住民達だけだ。
その為、川神市周辺から離れれば、着物を普段から着用している京極などは当然人目を集める。
「ねぇ、あのキャンピングカー前にいる着物を着てる子イケメンじゃない?」
「わっ!ホントダ〜」
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