108章 信也、吉本隆明の芸術言語論について講演する
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
います。あっははは」
信也が笑うと、会場からも、笑い声が上がる。
「糸井重里さんって、思いやりのあるかたですよね。
この183もの講演は、聞くだけではなく、テキストを読むこともできます。
ダウンロードもできますから、パソコンでゆっくりと読むこともできるです。
吉本隆明さんの考えとかを知りたい人は、ぜひ、ご利用ください!
さて、吉本さんの芸術言語論のことなのですが、
おれは、この芸術言語論こそが、もしも、完成されたのならば、
世界の人々に、平和や幸福や繁栄や希望をもたらすだろう、
ノーベル平和賞級の仕事になっただろうと、想像してしまうのです。
なぜならば、吉本さんの芸術言語論こそが、もしも、完成されたのならば、おそらく、
≪芸術こそが、世界の人々にとって、楽しく幸福で平和な人生を実現に導く、
源や根幹だ≫と言うことを証明する普遍的な理論書になるだろうと、
おれなんかは、予想するからです。
おれたちが、一生懸命に考えれば、芸術言語論の全貌も、想像できると思うんです」
「さて、みなさんは、何が理由で、こんなに、人の心も荒廃しているような、
殺伐とした事件ばかりが多い、
明るい未来も描けない世の中になってしまっていると思いますか?
その理由を、おれは、芸術というものが、軽視され過ぎいていることに、
大きな原因があると考えています。
吉本さんは、そんな衰退している芸術の復活を願っていたのだと思うのです」
「さて、では、芸術とは何か?ということが問題にもなります。
吉本さんは、芸術言語論で、こう言っています。
≪ぼくが芸術言語論ということで、第一に考えたことは、言語の本当の幹と根になるものは、
沈黙なんだということです。
コミュニケーションとしての言語は、植物にたとえますと、
樹木の枝のところに花が咲いたり実をつけたり、葉をつけたりして、季節ごとに変わったり、
落っこちてしまったりするもので、言語の本当に重要なところではないというのが、
僕の芸術言語論の大きな主張です。
沈黙に近い言語、自分が自分に対して問いかけたりする言葉を、ぼくは『自己表出』といっています。
そして、コミュニケーション用に、もっぱら花を咲かせ、葉っぱを風に吹かせる、
そういう部分を『指示表出』と名づけました。
言語は、そのふたつに分けることができますよ、
ということが、芸術言語論の特色として強調しておきたいことです。≫・・・と。
つまり、芸術活動の価値や根幹には、『自己表出』が大切だと言っているわけですよね。
ですから、芸術とは、『自己表出』と『指示表出』とが、
織りなす絹織物ような、その衣服のようなもので、
そんな価
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ