暁 〜小説投稿サイト〜
一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第二章―リンクス―
第14話?鉱石を求めて
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方向を見る。五メートル先に、装飾が少しも施されておらず、鍔すらもついていない粗末な片手剣を握ったコボルドがいた。
?僕は武器を反射的に構える。そんな僕の反応にソラは一瞬きょとんとしたあと、少し先にいるコボルドに気づいたようで、短剣を構えた。
?それを確認してから、さらに奥のコボルドを見つめる。周りに他のモンスターの存在はない。もしかすると、この通路には入り口付近とは違って大量に現れることはないのかもしれない。
「僕が先にコボルドの相手をするから、ソラはその隙をついてソードスキルをぶつけてくれる?」
「うん、わかった」
?さっきまでとは異なり、数段小さい声でソラが応える。それに笑顔で頷いたあと、僕は地面を強く蹴った。
?ものすごい勢いでコボルドとの距離を積めていく。お互いの距離が一メートルを切ったところで、ようやくコボルドが僕を認識し、威嚇する――だが、もう遅い。
?左手の握力を強め、渾身の力で左から斜めに斬り下ろす。苦痛の声が至近距離で耳に殴るような勢いで入ってくる。コボルドのHPゲージが三割も減った。
?これで完全にコボルドは僕を標的と見なすはずだ。その予想通り、コボルドがお返しと言わんばかりに片手剣を振り回してくる。僕はそれを冷静に見極め、ひとつひとつ丁寧に捌いていく。少し前に戦ったコボルドと同じ種類ということもあり、大して焦ることもなく対処できる。
?少しずつ後ずさりながら、攻撃を捌く。すると、後ろから突風のようなものが僕の後ろから駆け抜けていった――ソラだ。この通路は入り口付近の通路よりも格段に広いため、四人ぐらいなら余裕で横列できるスペースがある。
?ソラはコボルドの背後に素早く回り、持っていた短剣に必殺の光を灯した。
「やぁあああああ!」
?気合いの入った声がしたと思うと、僕に片手剣を振り下ろそうとしていたコボルドが振り上げたままのけぞった。
?四つのライトエフェクトの軌跡が空気中で霧散する。エフェクトの数からして四連撃のソードスキル。
?短剣は専門外だから、ソードスキルの名前はわからないが、連撃数からしてなかなかの熟練度を必要とするものだろう。
?コボルドのHPゲージがさらに四割減る。短剣という武器のカテゴリー上なのか、筋力値が低かったからなのか、削りきることは叶わなかった。となると、コボルドの標的は僕からソラに代わる。今のソラは技後硬直により、体の自由が効かない。
「あっ……!」
?コボルドがソラの方を振り返り、吠えながら再度剣を振り上げる。ソラが驚きの表情を浮かべて、声を漏らす。そして、ようやく体が動き、顔をそらして目を強く瞑る。
?一方、僕は左足を浮かせて体全体を大きく捻った。その勢いにさらに力を乗せ、がら空きになったコボルドの横っ腹に左足を思いっきり叩きつける――ようするに蹴ったのだ。
「ギェイア!
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