十四節:上を目指す理由
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アート・オンラインを進めたのもジッちゃんだったし…………責任感強えから、オレがデスゲームに囚われたのは自分の所為だって、きっと責めてると思う」
もしも……SAOではなく別のソフトを進めていれば、
もしも……ナーヴギアだけしか購入出来なければ、
もしも……違うハードを買うか、そもそもゲームではなく別の物で祝おうとしていれば。
この異常な状況で……もしも、もしも、と考えてしまうのは必然であり、加えて責任感の強さもあるのなら、己が言い出してしまった事で招いた悲劇だと、強く後悔してしまうだろう。
かなり愛されていた様子で有る為……祖父母共に、心身へ大打撃を受けるのは間違いない。
「バアちゃんも滅茶優しいから、ジッちゃんが落ち込んでオレが死ぬかもしれないって事で……物凄い心痛めてんじゃねえかって思うんだ。……だから、オレは―――――」
そう……チヨメがクリアを目指す理由はほかでもない、
「―――さっさとこんなゲームクリアして、ジッちゃんとバアちゃんに元気な顔見せて、二人にも元気になって貰いたい! そんで……改めての誕生日と帰還できたって事でお祝いすんだ! もち、パーッとな!」
……自分の大好きな、大切な人間の為なのだ。
最初に怒っていたのも無理はない。
何せ、たかが『ゲームの中に人を閉じ込めて観察したい』だけで一万人も閉じ込め死ぬかもしれない状況を作り上げ―――――他ならぬチヨメの大切な人の心を、残酷な仕打ちでコレでもかと傷付けているのだから。
別段他人を気遣わない訳ではないのだから、こう言っては何なのだが―――前線から遅れたくないと闘っている攻略組の多数プレイヤーや、同じくキリトやアルゴの様なゲーマーの性から逃れられない人物に、果ては大胆な自己満足で完結させようとしているアスナに比べれば…………余りにも優しいと言わざるを得ない。
自分の為だけではない。
大切に思う身内の為、笑顔で居て欲しい他者の為に闘う。
……この上なく、肉親を想っての理由だった。
「まぁ焦ったって仕方ねぇから、自分の命だって大切にするけどな。こんなゲーム内で死んじまったらそれこそ親不孝もんだし、何の言葉も残せねぇから……」
「ハハ、良い心構えやね? 前に進もうと努力するに足る、良い理由だとオレちゃんは思うわな」
「! ……へへっ、サンキュ!」
ニッと歯を見せて笑い、やっと最初の牧羊的な雰囲気が戻ってきて、会話が終わったのだと告げて居た。
「えっと、さ? 何かオレの所為で白けちまったみたいだし、オレが奢るからもう一回ステーキ頼まねぇか? なんかアレだけじゃ腹減っちゃって」
「ヒハハ……そりゃあいい。オレちゃんもあんなんじゃ物足りないって思ってたとこ
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