十三節:更に出会うは黒髪の少女
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ントなのか、それとも交戦中なのか……その答えはすぐに出た。
「――――ォォォォォォ!?」
「――――ゥゥゥッ!!」
動く豆粒と砂煙の正体―――――それはやはりプレイヤーとモンスターだった。
詳しく説明するのなら、黒髪の少女が叫び声を上げながら、巨大な牛から逃げ惑っていたのだ。
だが……何処かギャグ漫画の様な叫び声からするに、どうも脅えていると言うよりは咄嗟に逃げてしまって、中々踏ん切りが付かずに対処できなくなっているだけの様子。
そんな彼女にグザは、不謹慎ながらも堪え切れないかニヤリ笑うと槍を構えて走り寄って行く。
「ちょっと避けなぁ! 隙作るわな!」
「お、おう! 頼むぜっ!!」
少女が左に避けるのに合わせて巨大牛もまた曲がり……しかしグザの突き出した槍で目を穿たれ派手に転がった。
「モ゛ォッ………ブモ゛ォォオッ!!!」
咆哮を合図に、何度目とも知れぬ戦闘が始まった。
四足で立ち上がってから、間髪置かずグザへ向けて左右に振られる牛の角を、ダッキングからのハイジャンプで躱して脳天へ右脚のネリチャギ。
「ヒヒ……イーッハァ!!」
グザは其処から左足で蹴り少し離れる。
が、着地はせず空中に居ながらに鋭い刺突を打ち込み、牛が復活しかけたその一瞬を狙ってソードスキルを始動させた。
単発系特有なるその威力を使って、半ば強引に距離を取る。
少女が対して攻撃をしていなかったのか、タゲが容易にグザの方へと向いた。
「モ゛オオオォォォッ!!」
「ヒヒハハハ! ほら来なや来なやぁ!」
利くかどうかは分からないものの咋に挑発したからか、溜めていた力を爆発させたかの様に巨大牛が猛スピードで突貫し始める。
派手に土煙を巻き上げて迫りくる巨体を、グザは臆するどころかニヤニヤ笑ったままに、視界の中へ捉え続ける。
残り数メートルまで迫った―――途端に走り出して、高く跳ぶと巨体を足場に更に跳躍した。
避けられた巨大牛モンスターは前方へ砂を撒き散らしながら強引に勢いを殺し、緩慢な動作で振り向いてグザを睨み付ける。
「オラアアッ!!」
「!!?」
……その背後に陣取っていた少女の【ソードスキル】が炸裂。
朱色の光芒を三度撒き散らし、確実なダメージを巨大牛へ負わせて見せた。
「ハハハハ! どうだ、オレの剣捌きは―――」
「ブルルルゥ……ッ!!」
「って、やっべ……うおおおぉぉぉぉ!?」
「ヒヒハハハハ! ほら逃げな逃げな! オレちゃんが何とかしてやるから思い切り走りゃいいやね!!」
その後、単純な巨大牛モンスターのAIを誘導させ、何度も同じ
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