ターン45 鉄砲水と泡沫の英雄
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相まって明日の朝には復活しているだろう。クロノス先生には悪いことをしたけど、ここでデスデュエルの秘密を解き明かしさえすればきっと無駄にはならないはずだ。
「……んじゃ、お休みー」
チャクチャルさんからの返事はない。まあお互いになんとなく気まずいままだし、それならそれでいいだろう。さ、寝よう寝よう。
「……おい!おいったら!」
「んー……」
耳元で誰かの叫び声が聞こえ、そのうるささに目を覚ます。
「何さ……十代?」
目の前にあった顔は、まさしく十代のそれだ。ただしその表情は険しく、何やらただならぬ様子。よくよく周りを見ると、ここは僕が倒れこんだはずのレッド寮のベッドではない。どこかはよくわからないけれど、上に夜空が見えるあたり少なくとも屋外ではあるようだ。
「えっと、ここは?」
頭を振りながら起きあがり、なんで自分がこんな場所にいるのか考える。……駄目だ、何も思い出せない。
「何言ってるんだ、お前?」
「え?」
思わず聞き返すが、向こうも本気で困惑しているようだ。十代は時々驚くほど単純なところがあるから、自分の感情がすぐ顔に出る。今回がまさにそのパターンといえるだろう。
「そうか、お前は気絶してて見てなかったもんな。たった今俺がコブラとデュエルして、俺が勝ったと思ったら突然光る人間みたいなのが現れてよ。それを追っかけたコブラがいなくなっちまったんだ。ヨハンたちが探しに行ってるけどな」
「気絶?僕が?え、ていうかちょっと待って、コブラ?」
「お、おう。だから今ちょうどそれを聞こうと思ってたんだよ。なあ清明、なんでお前、俺たちより先にここに来てたんだ?」
……駄目だ、まるで会話がつながらない。
「待ってよ十代、何がどうなってるのさ」
この時点で十代も僕と同じことを考えたらしく、少し考えてからまた口を開いた。
「俺たちは今朝、行方不明になったお前を探しにSAL研究所に行ったんだ。そこで佐藤先生やオブライエンに会ったりして色々あったけど、とにかくコブラのところにたどり着いた。そしたらその足元に清明、お前が気絶して倒れてたんだよ」
「え?……ええ?」
全っ然駄目だ、話せば話すほど訳が分からなくなってくる。どうすりゃいいんだこんなもん……そうだ、チャクチャルさんに聞けばいいや。今は喧嘩してる場合じゃない、とにかく何があったのかだけでも教えてもらわないことにはまるで話にならない。
「チャ、チャクチャルさーん?」
少し待つが、いつもすぐ近くにいるはずの邪神からの返事がない。いくらお互い気まずいからって、いつもはこんな時に無視だなんて子供じみた真似はしないキャラなのに。とりあえずカードから直接呼び出そうとデッキを取り出して……そ
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