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詩集「棘」
風の赴くまま…

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生まれたことが罪ならば
どこへ逃げろというの?
限りある時間…生命(イノチ)…
きっと全て…獄と同じ…

涙は流さない…
もう充分流したから…
祈りはまるで呪詛のように
僕の躰を縛りつけた

風の赴くまま…
何のしがらみもなく翔べたら…
望みは重く伸し掛かり
行くべき路を見失う…


想うことの自由さは
どこで線を引けばいい?
口に出来ない言葉…魂(ココロ)…
それは全て…価値はなく…

溜め息を一つ…
あの月影へと零して…
愛しい人は遥か遠く
名を呼ぶだけの毎日は…

風の赴くまま…
何もかも捨て去れたなら…
願いは儚く霧散して
自分の意味を求め行く…


春の陽射しが沁みる…
凍てつく冬は去ったというのに
どうして寂しさは消えないの…?

風の赴くまま…
一人誰も知らない土地へと…
いつかはこの日溜まりのように
心穏やかでありたい…

風の赴くまま…
何も考えず歩き出せたら…
いつかはきっとこの想い
過ぎ行く風の向こうへと…




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