機動戦艦ナデシコ
1289話
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が。
「首席卒業ねぇ。……正直、普段の艦長を見ていると、とてもそういう風には見えないけど」
「ま、あの性格だしな。それより、ハルカは今こうしていてもいいのか? 戦闘終了後で忙しいんじゃないのか?」
「ああ、大丈夫よ。戦闘が終わったし、今は操舵をエリナに任せているわ。ここ最近は随分と操舵に関しても上手くなってきてるから、ある程度は安心して任せる事が出来るようになったし」
エリナも負けず嫌いだしな。
いや、もしかして俺と顔を合わせるのが気まずかったからとかか?
それを否定出来ないのは、正直残念な思いが強い。
殆ど成り行きで肉体関係を持ったんだから、そういう風な態度を取られても仕方ないんだが。
けど、ハルカと顔を合わせるのがいいってのはどうなんだろうな?
あの状況をみれば、3人で夜を過ごしたのは明らかだ。
つまり、エリナはハルカともそういう関係になってしまったという事になる。
……普通、男と肉体関係を持つよりも同性の女とそういう関係になる方が心理的な抵抗は強いような気がするが……
ともあれ、俺自身エリナは男女関係を抜きにしても――勿論魅力的なのは承知しているが――付き合いやすいという思いがあったんだけどな。
「はい、お待ちどうさま」
エリナの事を考えていると、カツカレー特盛りゆで卵トッピングと大盛りのポテトサラダがホウメイガールズによって持ってこられる。
「うわぁ……こんなに食べるの? 相変わらず燃費が悪いわね」
普通のカレーライスが入っている皿よりも2回り程も大きいその皿を見て、ハルカが呆れたように呟く。
「ま、こんなに食べられるのは今のうちだけだしな。火星に向かって出発すれば、食べる量はセーブせざるを得ないし」
「……アクセルだから、で納得してしまう自分が怖いわ」
溜息を吐いたハルカだったが、やがて少し拗ねたように口を開く。
「エリナの事は心配しなくてもいいわよ。彼女、ああ見えて結構な乙女だからね。まだアクセルと顔を合わせると恥ずかしいんでしょ。時間が経てばそのうちいつも通りになると思うわ」
「……よく俺がエリナの事を考えていると分かったな」
「分かるわよ、アクセルの事だもの。……もっとも、私と一緒にいるのに他の女の事を考えているのは、ちょっと面白くないけど」
ハルカは少し唇を尖らせ、拗ねたようにそう呟くのだった。
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