機動戦艦ナデシコ
1289話
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ガ改用のコンテナは後付けだ。どうしてもナデシコが作られた時の他のパーツと比べると脆いのは避けられない。
そのコンテナが無事なんだから、ナデシコの被害を心配する必要はないだろう。
無重力の中だけに、乗降ワイヤーを使わずコックピットを飛び出る。
そのままナデシコへと繋がる通路へと向かい、機密確保の為に二重になっている扉からナデシコの格納庫へと向かう。
そうして到着した俺が見たのは、軽い損傷はあれど中破以上の損傷はないエステバリスが5機。
つまり……
「全員無事だった訳か」
ウリバタケと何かを話しているリョーコへと声を掛ける。
「ま、何とかな。ヤマダの野郎がこっちの指示を聞くようになったってのが大きかったな」
俺の存在に気が付いていたのか、特に驚いた様子もなくそう言葉を返してくる様子は、酷く満足そうだ。
……いや、当然か。サツキミドリ2号にいる間、最初にやった模擬戦では俺に惨敗。その後で生身での手合わせをしたものの、こちらも惨敗。
色々な意味で自信をなくしそうになっていたところで、今回のサツキミドリ2号への襲撃だ。
今回の戦いは、エステバリス隊の自信を取り戻すという意味では最善の結果だったのだろう。
「ヤマダが大人しく指示を聞く、か。やっぱりそれは……」
「ああ。あのメグミとかって女のおかげだろうな。正直、今回は敵の数が多かった割りに、こっちの戦力が少なかったからな。ヤマダの野郎が自分勝手な動きで突撃してれば、多分生きて帰ってはこれなかったぞ」
「そうか。ま、それでも全員無事帰還ってのはいい事だ。お前達の腕が決して見せ掛けだけじゃないってのには十分な証明になっただろ?」
「……ふんっ!」
俺の言葉が照れくさかったのか、リョーコは頬を薄らと赤くして視線を逸らす。
「おいおい、お前はもう2人も手を出してるんだろ? それなのに、まだ足りないのか?」
不意に聞こえてきたウリバタケの声。
その声にあるのは、紛れもない嫉妬。
いや、お前だってヒカルと仲良くやってるんだろうに。それが例え、向こうが男として見ていなくても。
「なぁっ! ななななななな! 何を言ってやがんだいきなり!」
先程まで赤かった頬が、更に真っ赤に染まったリョーコが、ウリバタケに胸ぐらを掴んで叫ぶ。
「あ、ギブギブ」
「……ったく、いい加減にしろよな。あたしが、その……アクセルに口説かれてるとか何とか……」
何だかんだで、リョーコもエリナに負けないくらい男女関係には疎い。
この2人、似ていないようで似ていて、似ているようで似ていないという微妙な関係だ。
エリナとハルカ、エリナとリョーコ。……さて、エリナと似ているハルカとリョーコは似ているとは思えないが。
「じゃれる
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