機動戦艦ナデシコ
1289話
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チューリップとカトンボの動きを止めてサツキミドリ2号へと戻ってきた俺が見たのは、サツキミドリ2号が崩壊している光景……などという悲劇的な代物ではなく、普通に宇宙空間に浮かんでいるサツキミドリ2号の姿だった。
勿論完全に無傷という訳ではない。
バッタの攻撃により被害を受けたと思われる場所は何ヶ所もあり、サツキミドリ2号の多くの場所からは煙が上がっているのが見える。
それでも全体的に見れば損傷軽微と言ってもいいような状況であるのは間違いない。
『アクセルさん、こっちに戻ってきたという事はチューリップとカトンボの方は……』
通信可能範囲に入った為だろう。通信オペレーターのメグミから通信が入る。
「ああ、無力化してきた。チューリップの巨大さにミロンガ改だけで撃破という風には出来なかったが、それでもチューリップはもう動けない状態になっている。カトンボの方は中破って感じだな。回収して研究するのなら今だぞ」
『分かりました、その辺はサツキミドリ2号の方に連絡しておきます。アクセルさん、ご苦労様でした』
メグミに変わって通信に映し出された艦長が、笑みを浮かべてそう告げてくる。
何だか妙にご機嫌だな?
まぁ、サツキミドリ2号が崩壊したりしなかったのは艦長にとっても良かったって事なんだろう。
それとも、テンカワが活躍したのか?
……寧ろそっちの方が可能性が高いな。
「サツキミドリ2号の方はもういいんだな?」
『はい、襲撃して来た木星蜥蜴は全て撃破しました。……戦闘の途中で多少の混乱はありましたが、それでも今は特に問題ありません』
多少の混乱?
何か特別な出来事でもあったのか?
疑問に思ったが、その辺は格納庫に戻ってから聞けばいいか。艦長を含めてブリッジメンバーは色々と忙しいんだろうし。
「分かった、なら俺は格納庫に戻る。……これからどうするのかを聞いてもいいか?」
『このまま出発……という訳にはいかないですね。さっきの戦闘でミサイルとかも使ってしまいましたし、エステバリスの方の消耗品を補給したりする必要もありますから』
だろうな。折角サツキミドリ2号があるんだから、この戦闘で消耗した各種部品を補充するのは必須だろう。
「分かった。ミロンガ改のミサイルも消耗してるから、そっちも頼む」
それだけを告げ、俺はナデシコに外付けされているコンテナへと向かう。
そのままコンテナの中にミロンガ改を着地させ、コンテナの扉を閉じる。
……こうして見ると、今回のサツキミドリ2号攻防戦でのナデシコの被害は特になかったように見える。
ディストーションフィールドのおかげだろうな。
もし何かあったとすれば、コンテナが真っ先に破壊されてもおかしくないだろうし。
何しろ、ミロン
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