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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第16話 代わり
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へと侵入していく。
木山のクルマには液晶テレビが設置してあり、画面には英語で

an institute_

と表示されていた。
「む......もう踏み込まれたのか」

その頃、木山の研究室には御坂達の要請で到着したアンチスキルが捜査を開始していた。
研究に使っていたであろうパソコンに不用意にも電源を立ち上げてしまい、黒い画面のコマンドプロンプトが展開され、数百という文字列が上から下へと流れた後に「complete breakdown 」と表記し、一切のデータが抹消された。

「君との交信が途絶えてから動きだしたにしては早すぎるな。別のルートで私に辿り着いたか」
初春は、座り直してサソリから貰った砂鉄の握ろうとするが
「!?」
ポケットにあるはずの顆粒感がなくなり、何度も握ってみるが履き慣れたスカートを掴むに過ぎなかった。
座席の下に転がっている黒い粒を眺めて青い顔をした。
「どうした?」
「い、いえ!なんでもないです」
座席の下に向けていた顔を正面に向ける。
外部と接触する手段の一つを失ってしまった。

でもアンチスキルが木山の研究室に踏み込んだという事は木山さんの容疑が固まったということ
そう考えてパニックしそうな頭を冷静にしていく。

「所定の手続きを踏まずに機材を起動させるとセキュリティが作動するようにプログラムしてある。これでレベルアッパーに関するデータは全て失われてしまった」
「!?」
「もはやレベルアッパーの使用者を起こせるのは君が持つそれだけだ......大切にしたまえ」
木山は、初春の手に預けたレベルアッパー治療用プログラムを一瞥した。

あと少し
あと少しで

もう後戻りはできない。
いや、最初の一人を意識不明にした時点で堕ち続けている。
必ず『先生』が目を覚まさせてあげるから......

ブツッブツ
「!?」
木山の車についている液晶テレビにノイズが走りだした。
一本から二本の黒い線が流れた後で砂嵐が流れ出す。
ザーッ......ザー
乾いた音がスピーカーから出力されている。
「ここは電波の通りが悪いみたいだな」
木山は気にせずに液晶テレビの電源を落とす。
木山はアクセルに入れて更にスピードを上げようとするが、踏み込んでもスピードは変わらない。
更に踏み込むがスピードが弱まっていくのを足から感じた。
「......調子が悪いか」
想定していたよりも安全な速度を維持しながら緩やかにカーブへと差し掛かる。
「!?」
カーブの終わり付近に黒い集団が集まっているのが視界に入り、嘲笑に似た笑みを浮かべた。

武装したアンチスキルが自分を捕縛するために銃を持って、道路を全面封鎖していた。
「アンチスキルか。上から命令があった時だけ動きの早い奴
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