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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第16話 代わり
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ことだった。

サソリさん!ここに居ます!

助けを求めるように握る力を強くした。
それに反応するかのように砂鉄が動いて、初春の手を包むような反発力を持った。
「そんな事より『レベルアッパー』って何なんですか?どうしてこんな事をしたんですか?眠った人達はどうなるんですか?」
「矢継ぎ早だな」
顔を向けずに視線だけを軽く初春に向けた。
「まず『レベルアッパー』だが......あれは複数の人間の脳を繋げる事で高度な演算を可能をするものだ」
「繋げる?」

単独では弱い能力しか持っていない人も
ネットワークと一体化する事で能力の処理能力が向上する
加えて同系統の能力者の思考パターンが共有されることで、より効率的に能は能力を扱えるようになる

「あるシミュレーションを行うために......「ツリーダイアグラム」の使用申請をしたんだがどういうわけか却下されてね。代わりになる演算機器が必要なんだ」
「それで能力者を使おうと......?」
「ああ、一万人ほど集まったからたぶん大丈夫だろう」
「!!」
予想外の数に初春は閉口してしまい、木山を睨み付けた。

一万人ほど集まった。
裏を返せば、一万人が昏睡状態を意味している。
佐天もそのネットワークに吸収されているのだろう。

「そんな怖い顔をしないでくれ。シミュレーションが終われば、みんな解放するのだから」
木山は何かを決めたように瞬きをすると白衣のポケットから音楽プレイヤーと小さなチップを取り出す。
それを初春に差し出した。
「?」
一体何なのか分からない初春は疑問符を浮かべる。
「レベルアッパーをアンインストールする治療用のプログラムだ。後遺症はない全て元に戻る誰も犠牲にならない」
「信用できません!臨床研究が十分でない物を安全だと言われても何の保障もないじゃないですか」
「ハハ、手厳しいな」
「それに一人暮らしの人やたまたまお風呂に入っていた人なんかはどうするんですか!?発見が遅れたら命に関わりますよ」
初春が発言すると、木山はハンドルを左右強めに切り始め、蛇行運転をした。
一瞬身体がシェイクされたように初春は揺さぶられる。
「?」
その影響でスカートのポケットからラップに包まれた砂鉄が座席の下に転がり落ちる。
座席の下には、黒い砂鉄がバラバラと散らばった。
「......まずいな。学園都市統括理事会に連絡して全学生寮を見回らせなければ......」
明らかに動揺しているようだ。
「想定してなかったんですか!?」

科学者って発想は奇抜で独創的だけど何で安全性の想定がこうも弱いのだろうか?
これがいわゆる、マッドサイエンティストという奴。

溢れた砂鉄は座席の下に落ちた後、意思を持っているかのように単体で動き出して、車の内部
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